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2016米大統領選

暴言トランプには実力行使あるのみ! SNSから広がるアンチトランプ行動

2016年3月15日(火)19時45分

 ベイリーさんは最も有効だと思える戦略の一つとして、小規模な人数で集会に入り込み、会場付近に人員を配置することなどを挙げた。

 シカゴのイリノイ大学で11日予定されていた集会の前、トランプ氏への抗議を主導する人たちはフェイスブックを使い、シカゴ地区の学生グループと協力して抗議への参加を呼びかけた。スタジアム内では、支持者と同じくらいの数の抗議者がいた可能性がある。トランプ陣営が集会を中止したときには、会場に入ろうとする長蛇の列ができていた。

 トランプ氏の支持者と反対者との間で小競り合いが発生し、その様子は全米でテレビ放送された。トランプ陣営には安全上の不安が浮上した。

 主催者の1人である大学院生のナサニエル・ルイスさん(25)は、トランプ氏の集会が中止されたことについて「最も予期せぬことだった。団結の力を示すものだ」と語った。

主要な予備選前に抗議

 今回の抗議行動は、15日に5州で行われる予備選で、トランプ氏が共和党候補指名を争うテッド・クルーズ上院議員や、マルコ・ルビオ上院議員、オハイオ州のジョン・ケーシック知事に対してリード固めを狙うわずか数日前に起こった。

 米大統領選に出馬する共和、民主両党の候補者たちは、敵対的な発言で緊張を広めているとしてトランプ氏を非難している。だが同氏は13日、次のように言い放った。

「私に責任などない。いかなる形の暴力も許さない」

 トランプ氏は抗議者を、サンダース民主党候補から送り込まれたプロの「かく乱者」だとして、「バーニー、気を付けろ。さもなければ、私の支持者たちがそちらの集会に行くぞ」と、ツイッターに投稿した。

 トランプ氏の集会では、同氏自身が抗議者をののしったり、シークレットサービスに連れ出すように命じたりと、荒れ模様となっている。

 暴力の脅威は12日、トランプ氏自身にも及んだ。オハイオ州での集会で男がセキュリティーを突破し、檀上に上ろうとして取り押さえられた。同氏は男が「危害を加えようとしていた」と語った。

 トランプ支持者のなかには、シカゴでの抗議者の行動がトランプ氏支持者を奮い立たせ、同氏に有利に働くとみる者もいる。

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