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ミャンマー

注射針が通貨として流通するヘロイン地獄

2014年10月29日(水)15時54分
パトリック・ウィン

 中毒患者用のリハビリ医療施設では、患者は禁断症状の間、部屋に拘束される。拘束しなければ患者が逃亡してまたヘロインを求めるからだ、と元中毒患者で現在はカチン州のリハビリカウンセラーを務めるジェームズ・ノーは言う。「(禁断症状の間は)世界がぼんやりして、少しの風でも痛みを感じる。何をしてでもヘロインを手にいれたくなる」

 北部の国境地帯では約20年に渡って政府と少数民族が紛争を繰り広げてきた。政府がヘロインの蔓延を放置して「実質的に少数民族を虐殺している」と、非難するゲリラ勢力もある。

 ここ数年、アメリカの支援のもとで軍事独裁から民主政治へと移行しようとするミャンマーは、そのサクセススト―リーだけが強調されてきた。しかしこうした明るい希望的な側面は、荒廃した国境地帯の現状とは余りにもかけ離れている。

From GlobalPost.com特約

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