<骨を削られ肉を削がれた子供たちの遺骨には、大人たちの願いと優しさが隠れている?>

中国の河南省で発見された古代の子供の遺骨は、かなり「異常な」埋葬をされていた。

河南省の北舞渡で1960年代に見つかった新石器時代初期に当たる紀元前9000~7500年頃の「賈湖遺跡」埋葬地で、2001年に発掘された人骨の分析結果が、専門誌「国際考古学ジャーナル(International Journal of Osteoarchaeology)」に昨年掲載された

8~10歳頃に死亡したとみられる子供の3体の遺骨の下肢に見つかったのは、人為的と思われる細かな切り痕、削り痕や切り込み痕。肉を取り除いたとみられる痕跡もあり、死の直前におそらく壊血病や栄養失調だったことを示す兆候も骨に見られた。

なぜ亡くなった子供の体をわざわざ傷つけたのか? 骨の痕跡や埋葬状況は、当時の儀式や埋葬習慣、子供の病状などを表している可能性があると、研究者らは考えている。

例えば骨を加工した痕があるのは、病気に苦しんで亡くなった子供が、あの世では下肢の痛みから解放されるようにと願っての行為だった可能性がある。あるいは、骨を使って儀式に使う道具を作ろうとしていたとも考えられる。

研究者によると、新石器時代の比較的初期の中国において、子供の遺骨に人為的な加工が施されているのは、これが初の例だという。

<参考文献>

Rong, F., Xingtao, W., Juzhong, Z., & Minghui, W. (2024). An "Invisible" Child--A Case of a Child With Anthropogenic Modification Marks and Pathological Conditions in Early Neolithic China. International Journal of Osteoarchaeology. https://doi.org/10.1002/oa.3368

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