「ポケモンGO」は中国のスパイ? CIAの道具?...大人気ゲームを直撃した「スパイ疑惑」とは?

THE POKÉMON SPY PANIC

2025年1月8日(水)14時44分
ザック・ドーフマン(安全保障ジャーナリスト)

世界最大級のゲームの祭典「E3」の会場、大勢のファンでにぎわう任天堂ブース

世界最大級のゲームの祭典「E3」で大勢のファンでにぎわう任天堂ブース(2018年、ロサンゼルス) PATRICK T. FALLONーBLOOMBERG/GETTY IMAGES

それに対し、アメリカではポケモンGOをプレイすることは制限されていなかった。その結果、あらゆる場所にポケモンキャラクターが出現するようになった。報道によると、ホワイトハウスや国防総省の敷地内にもポケモンが現れたという。

メリーランド州フォートミードの国家安全保障局(NSA)本部の駐車場でプレイしている人もいたと、同局の元職員は語っている。「どうもかなりレアなポケモンがいたらしく、敷地内でスマホを手に歩き回る人が大勢いた」


NSAやCIAなどの安全保障関連の政府機関で働くテクノロジー好きの人たちは、この類いのゲームに夢中になりやすい。その点に、上層部は不安を募らせていた。「ポケモンGOへの懸念は大きかった」と、エネルギー省の元高官は言う。

情報機関の元職員たちによると、エネルギー省とNSAの当局者たちは、ポケモンGOが中国のスパイ活動の道具なのではないかと──特段の根拠なしに──案じていた(筆者とフォーリン・ポリシー誌は、ポケモンGOのセキュリティー問題についての文書および内部の議論を知るNSA、CIA、エネルギー省の元当局者7人に話を聞いた)。

国防総省は職員に対して、政府支給のスマホにポケモンGOをダウンロードしないよう、また機密性の高い施設の周辺でポケモンを探さないよう要請した。それでも、同省全体として軍や同省の施設内でのプレイを規制することはなかったと、当局者は述べている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

FRB、「中立金利」到達まで0.5%幅の利下げ必要

ワールド

米国版の半導体の集積拠点、台湾が「協力分野」で構想

ワールド

アフガン北部でM6.3の地震、20人死亡・数百人負

ワールド

米国防長官が板門店訪問、米韓同盟の強さ象徴と韓国国
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 5
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 6
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に…
  • 7
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中