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バブル

バブルがいつ弾けるかを推測する手がかり、「恐怖指数」の読み方

2018年6月28日(木)17時51分
株の窓口

過去10年のVIX指数の推移は以下のようになっています。

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そして下は、VIX指数のもととなるS&P500指数の推移とあわせたチャートです。これを見ると、S&P500は過去最高水準まで高まっているものの、VIX指数は低水準で収まっており、ここから「投資家たちはこの状態を『バブル』あるいは『異常な高値』だとは思っていない」ということが読み取れます。

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・世界はアメリカを見ている

世界の株式市場の中心はアメリカです。アメリカ株の動向が各国株に与える影響も大きいため、世界中の投資家がこのVIX指数を注目しています。

VIX指数の見方については「10~20%の間を推移する」とする解説が多いです。「20%を超えたら即、危険信号」ということではありませんが、25%を超えたら、投資家の警戒感がかなり高まっていると見たほうがいいでしょう。ここでも、大きく超えているのはリーマンショックの時期です。

日経平均株価と日経平均VIとの場合と同じように、基本は「逆相関」の関係になりがちに思えますが、このようにチャートで見比べると、必ずしもそうは言えないことがわかります。

数値はあくまで「参考」までに

投資家たちが、日経平均株価が今後どうなると想定しているかを表した数値が「日経平均VI」であり、アメリカ版TOPIXであるS&P500指数が今後どうなると想定しているかを表したものが「VIX指数=恐怖指数」です。

日経平均VIもVIX指数も、数値が大きければ大きいほど「変動(ボラティリティー)が大きいと投資家たちは踏んでいる(=暴落の可能性が高いと見ている)」ということです。

本来、日経平均株価と日経平均VI、そしてS&P500指数とVIX指数は、いずれも逆相関になりやすいはずですが、必ずしもそうはなりません。あくまで、これらの指数は「現時点での投資家の予測に基づいた数値にすぎない」からです。

したがって、参考程度の数値ではありますが、「集団心理」というつかみどころのないものを数値にしているという点や、「世界の投資家が見ている」という点において、たまにはVIX指数をチェックしてみるといいのではないでしょうか。そこで、思わぬ発見があるかもしれません。

(参考記事)「トヨタを買っておけば大丈夫」ってほんと? 銘柄選びの常識・非常識

※当記事は2018年1月4日にアップした記事の再掲載です。

※当記事は「株の窓口」の提供記事です
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