最新記事

株の基礎知識

【展望】2022年の株式相場は2018年相場に近いものになる?

2022年1月5日(水)10時55分
朋川雅紀 ※かぶまどより転載

■2度のピークを経て株価は...

私は今回、2022年の株価は2018年に近い動きをするのではないか、という仮説を立てました。2016年の年初から始まった株価サイクルが2018年で終わりました。年末にかけて米中貿易摩擦による景気後退懸念から株価は大きく下げて、株価サイクルが終わりました。

そして、現在の株価サイクルは2020年の3月に始まり、このまま株価が順調に上昇すると2022年には3年目を迎えることになりますので、この点が2018年と似ています。2022年は中間選挙の年ですし、政治の面からも2018年と似ています。

2022年が2018年と同じ株価のパターンを繰り返すと仮定すると、株価は以下のチャートのようになります。これは、2017年11月から2018年12月までの月次騰落率を使って、2021年11月末の実績をベースに作成したものです。

kabumado20220105-2022forecast-2.png

2018年相場に近い動きをするという私の仮説に則れば、2022年相場は、「最高の3か月」が終わる1月に一度ピークを付け、調整を経て上昇し、8~9月あたりに2度目の株価のピークを付けて、年末にかけて株価は下落することになります。

■株価サイクルが終わる要因

2022年に株価がピークを付けるとすると、何がその要因になるのでしょうか。

もちろん、2022年になって新たな悪材料が出てくるかもしれませんが、それは出てきたときに考えればいいので、現時点で考えられる悪材料を確認してみたいと思います。

現在、マーケットは懸念(悪材料、下げ材料)に溢れていますが、最大のリスク要因は金融政策の変更によるものでしょう。もっと言ってしまえば、金融政策に関する懸念以外のリスク要因の市場への影響は限定的だと考えています。

●金融政策に対する懸念
テーパリングを経て、2022年にはFRBが利上げを始めるでしょう。利上げを巡る不透明感や景気減速懸念が株価を押し下げる要因となる可能性は非常に高いと言えます。最も注目すべき材料です。

●インフレ懸念
インフレはコストの上昇をもたらし、企業収益の悪化懸念から、株式市場の下落要因となります。また、インフレ懸念は金利上昇にもつながり、とりわけ成長株のバリュエーション悪化を招き、成長株の下落圧力となるでしょう。

●中国不動産バブル崩壊懸念(恒大集団の負の連鎖)
恒大集団の債務問題が1社だけの問題にとどまらず、中国の不動産価格暴落につながることになれば、世界経済や世界株式への影響は無視できません。

これらの懸念が深刻な景気後退をもたらすことまでは想定していませんが、株価サイクルが成熟するにつれ、懸念に対する株価の反応はより過敏になると考えられます。

2022年、おすすめ投資戦略

株価サイクルをベースに組み立てた仮説(メイン・シナリオ)を踏まえて、2022年、長期投資家の皆様には以下のような戦略を提案したいと思います。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

パリのソルボンヌ大学でガザ抗議活動、警察が排除 キ

ビジネス

日銀が利上げなら「かなり深刻」な景気後退=元IMF

ビジネス

独CPI、4月は2.4%上昇に加速 コア・サービス

ワールド

米英外相、ハマスにガザ停戦案合意呼びかけ 「正しい
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    ナワリヌイ暗殺は「プーチンの命令ではなかった」米…

  • 10

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中