FRBの不確かな利下げ──トランプの政治介入でレームダック化寸前のパウエル議長の最後の抵抗
Donald Trump Reacts to Federal Reserve Interest Rate Cuts
今回の利下げにより、政策金利は約3年ぶりの低水準となった。一方、FRBの最新の予測によれば、来年は利下げがあと1回にとどまる見通しだ。2日間の会合後に発表された声明では、今後しばらくは経済指標の推移を見極めつつ、金利を据え置く可能性があると示された。
FRBは現在、インフレの高止まり、雇用の鈍化、そして政治的圧力という3つの課題に直面している。ジェローム・パウエル議長の任期が来年5月に迫るなか、トランプは次期議長の人選を進めており、より積極的な利下げを行う人物の起用を望むと明言している。
来年1月には、トランプがFRB理事のリサ・クックを解任しようとした件について、連邦最高裁が審理を行う予定となっている。判決で解任が通れば、トランプが利下げ支持派の人物をさらにもう1人FRB理事に指名する可能性もある。
今回の決定では、3人の委員が反対票を投じ、FRB内で6年ぶりの深刻な意見の対立が露呈した。3人のうち2人が利下げそのものに反対する一方、トランプが任命したスティーブン・ミランは0.5ポイントの利下げを求めた。





