エスコンフィールドHOKKAIDOはここが凄い! 溢れる「アイデア」と「技術」を追う
共同創造空間を実現するパートナーとして
記者発表会では、「新球場において我々が重視するのが、プレイヤーファーストと来場者ファースト。加えてサービスプロバイダの視点も大切にしながら、皆さんとともに共同創造空間を実現したい。そのためのパートナーとして、確かな技術と製品力を持つパナソニックが適任と確信しています」と、ファイターズ スポーツ&エンターテイメント取締役事業統括本部長の前沢賢氏が語った。
球場の内外に設置されるパナソニック製の照明は実に9000台以上。エスコンフィールドの球場を照らすのは、2kW相当(14万lm)226台、1kw相当(6万6400lm)128台のLED投光器だ。
「一般的な球場ではスタジアムの外周を覆うような形で、約500台から700台の照明器具を取り付けて灯りを設計します。対して、今回のエスコンフィールドでは、世界最大級の大型ビジョンとスライド式開閉屋根などの関係もあり、照明の設置エリアが限られていました。そこで異なる能力を持つ354台のLED投光器を組み合わせ、スタジアムを照らす灯りの設計をしています」
そう説明するのは、パナソニックエレクトリックワークス社マーケティング本部 北海道電材営業部の馬杉道裕氏。馬杉氏によると、異なる能力の照明器具を組み合わせたスタジアム光の設計は、日本のプロ野球の球場では初めての試み。実際に球場で見上げると、スタジアム照明の取り付け位置は屋根側の4ヶ所とウォール側の2ヶ所のみ。煌々とした照明灯を見慣れたプロ野球ファンからすると心もとないような気もするが、ナイターでも十分な明るさが確保される。
さらに照明器具には眩しさを抑える特殊なレンズを採用し、VRなどを駆使した幾度もの分析を行い、フィールドで選手たちのプレイを邪魔しないよう一台一台の投光器の角度を細かに調節。天然芝やユニフォームの色が鮮やかに映えることに加え、4Kテレビでのスロー再生でもまったくチラつきの出ない3%以下のフリッカーファクターも実現している。
また、LED投光器はDMX制御で1台ずつの調光が可能。昨年の甲子園球場のリニューアルでも同システムが採用され、その多様な照明灯演出が大きな熱狂を起こしているが、エンコスフィールドでは二つの巨大な大型ビジョンや球場内のサイネージと連動したダイナミックな照明演出が楽しめる。
スタジアム照明と音響や映像を連動させる映像システムには、パナソニックコネクトの映像制作ソリューションである「KAIROS」を使用。もちろん球場各所に600枚が設置されるデジタルサイネージもパナソニック製だ。