最新記事

ブランド戦略

日本人の好みを徹底研究されたカナダ産プレミアムポーク

ブランドショップ「HyLife Pork TABLE」の戦略とは

PR

2016年9月21日(水)12時00分

 雄大な自然に恵まれたカナダ・マニトバ州で創設され、同国最大の養豚企業に成長したHyLife Foodsのマーケティング部門であるHyLife Pork Asia Ltd.(ハイライフポーク・アジア)日本支店が、この秋、日本向けビジネスの新たなフェーズに乗り出す。

 日本人の味覚に合わせて開発したプレミアムポーク「HyLife Pork」(ハイライフポーク)の消費者に対する認知・価値向上を目的としたブランディングプロジェクトが本格始動した。プロジェクトの拠点となるのが、9月16日に代官山にオープンしたブランドショップ「HyLife Pork TABLE」だ。

カナダとHyLife

 カナダ産ポークは日本で存在感を増している。輸入豚肉の国別シェアでは、2007年にカナダが前年まで2位のデンマークを抜き、それ以降は首位の米国に次ぐ輸入量を保ってきた(農畜産業振興機構調べ)。

 カナダ産ポークが好調なのは、冷涼な気候で、水と穀物が豊富といった養豚に適した条件が揃っているからだ。そして、そこで高度な安全基準で管理された一貫生産体制により、品質を向上させる力をつけたHyLifeが、新たに開拓すべき市場として目をつけたのが日本だ。

hylife2.jpg

カナダから来日したHyLife経営陣

 HyLifeのギー・ボードリーCOOは、日本市場に着目した理由として、「日本の人々は、味へのこだわりも強く、欧米に比べ、ポークをさまざまな料理法で日常的に楽しむ豊かな食文化がある。それに、食品に関する安全と安心の意識も他国より高い」と話す。

 調査と準備を進めてきたHyLifeは2012年、日本市場での成功を確固たるものにするため、大きな勝負に出る。それまでの取引で信頼をおいていた伊藤忠商事株式会社の資本参加受け入れを決意した。そして、当時、伊藤忠の畜産部で輸入ポークを担当していた舩越直之氏をアジア営業・市場開発担当バイスプレジデントとして迎え入れ、日本市場への本格参入を開始。

 まずは、日本人の嗜好に合う豚肉の開発に着手した。「カナダの人には、薄切り肉といったら1センチぐらいの感覚。そこで、カナダのスタッフを招待した試食会を設け、しゃぶしゃぶなどを食べてもらい、日本の食文化を理解してもらうことから始めた」と、舩越氏は振り返る。

 品種は、すでに日本でも人気が高かったランドレース種、大ヨークシャー種、デュロック種を掛け合わせた三元豚(さんげんとん)を選んだ。日本人好みの「あっさりと口当たりよく、赤身にも脂が乗って柔らかくジューシー」な肉質にするため、大麦、小麦を中心にコーン、大豆の最適な配合を追求した。さらに、オレガノやタイム、シナモンなどのハーブも飼料に加えることで、臭みがなく香りのよい豚肉ができあがった。

HyLife Pork TABLEでカジュアルに味わう"プレミアム"

 こうして生産体制が整ったプレミアムポークを、どうやって日本に売り込んでいくか。「外国産よりも国産のほうが安心でおいしい」というイメージが根強い一方で、実際にHyLifeのポークを食べてもらう調査では、多くの人が「おいしい」と回答し、さらに生産背景やこだわりなどを説明したところ「もっと知りたい」「ぜひ買いたい」という声が多数上がったという。そこで舩越氏らは、「HyLifeの良さを知っていただくブランディング活動」を展開することを決断した。

 そして、HyLife Porkのブランディング活動の拠点となるのが、代官山にオープンしたHyLife Pork TABLEだ。同店は、HyLife Porkを多彩な料理で提供するカフェ&ダイニング、オリジナルグッズやスパイスなどを販売するグロサリー&ショップ、HyLife Porkを使ったレシピを伝授するワークショップという3つの機能を持っている。

 メインシェフを務めるのは、湘南T-SITEに出店されたLIFE seaなど人気レストランを複数展開する相場正一郎氏。相場氏はHyLife Porkを、「熱を入れるとふっくら柔らかくなる。冷めてもしっとりしていて、いつまでもジューシーさが保たれる」と評価。「低温での調理にも合う。一般よりやや厚めに提供するのがよさそう」とレシピの方針を語った。

hylife3.jpg

相場正一郎シェフ

 カナダと日本の両スタッフによる品種開発と品質管理のたゆまぬ努力と挑戦、そして互いの信頼から生まれた、ちょっと贅沢なHyLife Pork。代官山のHyLife Pork TABLEでぜひ一度味わって、「ふつうの日を、ステキな日に。」というメッセージを体感していただきたい。

(Text:高森郁哉)

HyLife Pork
http://www.hylifepork.com/

HyLife Pork TABLE
東京都渋谷区猿楽町10-1 マンサード代官山2階
営業時間:ランチ 11:30〜15:00 ディナー 18:00〜23:00
電話:03-6452-5497

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日本との関税協議「率直かつ建設的」、米財務省が声明

ワールド

アングル:留学生に広がる不安、ビザ取り消しに直面す

ワールド

トランプ政権、予算教書を公表 国防以外で1630億

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、堅調な雇用統計受け下げ幅縮
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 2
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 3
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単に作れる...カギを握る「2時間」の使い方
  • 4
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 5
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 6
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 7
    宇宙からしか見えない日食、NASAの観測衛星が撮影に…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 10
    なぜ運動で寿命が延びるのか?...ホルミシスと「タン…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 10
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中