最新記事

インド経済

インド新首相が掲げる「モディノミクス」の実力

Modinomics: Myth or Magic?

2014年5月27日(火)15時03分
ラム・マシュル

 グジャラートモデルをあがめる人々に突き付けたいのは、より良いモデルはほかにたくさんあるという事実だ。04年から12年までの国民1人当たりのGDP成長率は、グジャラート8%に対して、タミルナド州8.6%、ビハール州は15%だった。

 1人当たりの公共支出ではグジャラートは29州中12位。貧困削減、女性の識字率、幼児死亡率では、それぞれ14位、15位、17位という凡庸な順位だ。

 モディがグジャラートモデルをインド全土で展開するには多くの障害がある。連邦制度の下では中央政府より各州の自治権が強い。多くの州でモディの政敵が首相になっており、モディは彼らの機嫌を取らなければならないだろう。

 モディがどんな経済政策を取るのかはまだ見えてこない。今回の選挙は首相候補たちの人間性や私生活にばかり焦点が当たり、重要な政策論議は後回しにされた。モディは人材、貿易、テクノロジー、観光、伝統の5つで「インドブランド」を促進すると発表したが、具体的なことは何も伝わってこない。

 モディは公務員の削減、政府の効率化、労働法の改正、賃上げなどにも取り組む必要がある。どれも時間がかかり、実現できる保証のない難題だ。

 今回の総選挙は、いわば貧困対策と経済成長どちらを優先すべきかを問う国民投票だったが、モディは両方を実現できると豪語してきた。だが彼がよく使った「統治」「高潔」「成長」という言葉は、ひいき目に見ても薄っぺらい。

From GlobalPost.com特約

[2014年5月27日号掲載]

ニュース速報

ワールド

北朝鮮大使、米韓軍事演習続く限り交渉しないと言明

ビジネス

焦点:中国金融機関の外資規制緩和、早期活用は厳しい

ワールド

特別リポート:サウジ「王室分裂」の裏側、汚職口実に

ビジネス

中国人民銀、穏健で中立的な金融政策を維持へ=四半期

MAGAZINE

特集:ビットコイン 可能性と危険性

2017-11・21号(11/14発売)

高騰を続け、今や1000種類以上に増えた仮想通貨 未来を変え得る新技術のリスクとメリットを真剣に考える

グローバル人材を目指す

人気ランキング

  • 1

    北朝鮮「亡命兵士」の腸が寄生虫だらけになった理由

  • 2

    北朝鮮「亡命兵士」の命を脅かす寄生虫の恐怖

  • 3

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 4

    北朝鮮「兵士亡命」が戦争の引き金を引く可能性

  • 5

    サンフランシスコ「従軍慰安婦像」への大阪市対応は…

  • 6

    「人肉は食べ飽きた」と自首した男と、とんでもない…

  • 7

    「お母さんがねたので死にます」と自殺した子の母と…

  • 8

    女性が怯えて生きるインドのおぞましい現実

  • 9

    飛び級を許さない日本の悪しき年齢主義

  • 10

    絶滅したマンモスがクローンでよみがえる

  • 1

    北朝鮮「亡命兵士」の腸が寄生虫だらけになった理由

  • 2

    北朝鮮「兵士亡命」が戦争の引き金を引く可能性

  • 3

    「セックスしている子もいるけど私はしたくない」 アメリカの女子大生に浸透するパパ活とは

  • 4

    北朝鮮「亡命兵士」の命を脅かす寄生虫の恐怖

  • 5

    サンフランシスコ「従軍慰安婦像」への大阪市対応は…

  • 6

    飛び級を許さない日本の悪しき年齢主義

  • 7

    体臭とセックスアピールの意外な関係

  • 8

    日中首脳会談、習近平はなぜ笑顔だったのか

  • 9

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 10

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 1

    北朝鮮「亡命兵士」の腸が寄生虫だらけになった理由

  • 2

    北朝鮮の電磁パルス攻撃で「アメリカ国民90%死亡」――専門家が警告

  • 3

    北朝鮮「兵士亡命」が戦争の引き金を引く可能性

  • 4

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 5

    人はロボットともセックスしたい──報告書

  • 6

    北朝鮮経済の「心臓」を病んだ金正恩─電力不足で節約…

  • 7

    生理の血は青くない──業界のタブーを破った英CMの過…

  • 8

    国民審査を受ける裁判官はどんな人物か(判断材料ま…

  • 9

    トランプは宣戦布告もせず北朝鮮を攻撃しかねない

  • 10

    北朝鮮危機「アメリカには安倍晋三が必要だ」

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

全く新しい政治塾開講。あなたも、政治しちゃおう。
日本再発見 シーズン2
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版 特別編集

最新版 アルツハイマー入門

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2017年11月
  • 2017年10月
  • 2017年9月
  • 2017年8月
  • 2017年7月
  • 2017年6月