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自分を創る音の風景

vol.2 歌舞伎俳優 中村七之助さん

2014年04月22日(火)12時01分

──ところで、子供のころのヒーローは誰でした?
「ウチの父親でしたね。あの人みたいになりたいってずっと思ってました。舞台の袖から見ていても自分の父親とは思えなかったし、それこそウルトラマンみたいなヒーローを見ている感覚ですよ」

──そんな時期から歌舞伎に対して意識が高まっていったのはいつぐらいからなんですか?
「自分の仕事として考えられるようになったのは、中学生か高校生になってからじゃないですかね。公演を任せていただくなかでいろんな葛藤があったり、それによって自覚が高まってきたり、おのずとそういう意識が高まってきたんだと思います」

中村七之助さん2──〈葛藤〉とは具体的にはどのようなことですか。
「歌舞伎の世界は血筋を重要視するところがあるんですけど、ウチの父親は〈実力がある人が脚光を浴びたほうがいい〉という立場だったんですね。だから、僕ら息子も最初は相手にされなかった。僕はそんな父親のスタンスが正しいと思っていたし、実力もないのにいい役をやらせていただいたとき、それまで以上の葛藤を持つようになったんですね。ま、自分の好きなことを職業にさせていただいてるわけで、ありがたい葛藤です」

──歌舞伎に対する愛情は子どものころから変わらないですか?
「変わらないですね。知れば知るほど好きになっていくし、歌舞伎の凄さを実感しています」

──その凄さってどのようなものなんでしょうか。
「観ていただければ分かると思います。歌舞伎の場合は1日の貴重な時間を使ってその会場まで足を運ぶわけで、その行動自体が特別なことだと思うんですよ。それと舞台上の技法ひとつにしても、色の使い方にしても、昔の人はよく考えたものだと思いますね」

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