コラム

プーチン成功で「世界秩序崩壊」、失敗なら「支配の終焉」

2024年12月26日(木)18時32分
プーチン成功で「世界秩序崩壊」、失敗なら「支配の終焉」

ILLUSTRATION BY MILOS MOMCILOVIC/SHUTTERSTOCK

<四半世紀に及ぶロシアの「超・長期独裁者」ウラジミール・プーチン。一見して前途洋々だが、勇み足や失言が命取りになる恐れも>

2025年がどんな年になるのかは見当もつかないが、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナとの戦争をやめないのは確実だ。

2000年の大統領就任から首相時代も含めて25年という節目の年に、彼は大きな勝利を収めるのか、それとも破滅するのか。

「世界秩序の破壊者」たるプーチンが成功すれば、世界秩序のドミノ倒しが欧米優位にとどめを刺すのは必至。つまずけばプーチンの支配は幕を閉じかねない。


24年後半、プーチンは前途洋々に見えた。10月にはイスラム教徒が多数を占めるロシア西部タタールスタン共和国の首都カザンでBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)首脳会議を開催。

国際社会から孤立しているというイメージを払拭し、ウクライナ戦争の戦犯容疑で国際刑事裁判所(ICC)から訴追されているにもかかわらず、世界の他の指導者に受け入れられていることを見せつけた。

一方、「自由世界」の新たなリーダーにはドナルド・トランプ次期米大統領が就く。

NATO懐疑派で、自国の情報当局よりプーチンの肩を持つことで有名だ。ロシア軍のウクライナ侵攻当初は政治生命が尽きたと思われていたが、ロシア軍が支配地域を拡大する間に返り咲きを果たした。

プロフィール

サム・ポトリッキオ

Sam Potolicchio ジョージタウン大学教授(グローバル教育ディレクター)、ロシア国家経済・公共政策大統領アカデミー特別教授、プリンストン・レビュー誌が選ぶ「アメリカ最高の教授」の1人

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

モデルナ、1.4億ドル投じてmRNA薬を米国内一貫

ワールド

米英豪、ロシアのウェブ企業制裁で協調 ランサムウエ

ビジネス

ブラックロックの主力ビットコインETF、1日で最大

ワールド

G20の30年成長率2.9%に、金融危機以降で最低
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 3
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、完成した「信じられない」大失敗ヘアにSNS爆笑
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 6
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 7
    「これは侮辱だ」ディズニー、生成AI使用の「衝撃宣…
  • 8
    衛星画像が捉えた中国の「侵攻部隊」
  • 9
    ホワイトカラー志望への偏りが人手不足をより深刻化…
  • 10
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 6
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 7
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 8
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 9
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story