コラム

バイデン来日の目的は本当に「対中包囲網」なのか?

2022年05月18日(水)16時00分

もちろん、中国の政局は非常に複雑であり、これから夏一杯かけて調整が行われると思いますが、秋の党大会で次期指導部の体制がどうなるかは、現時点では見えません。一部には、習近平主席の続投はなく、すでに実権は李克強首相に移っており、李後継という説もあるようですが、そんなに単純には行かないと思います。

あえて予想をするならば、仮に李首相派が政局に勝利したとしても、習主席と李首相は同時に退任して、次期指導部は一気に若返る(例えば胡春華氏など)という可能性を指摘しておきたいと思います。

一方で、アメリカの中間選挙の方は、仮にこのような「中国の政変、ウクライナ和平、米中連携によるインフレ退治」が実現したとしても、その効果は投票日には間に合わず、民主党は苦戦すると予想されます。

それはともかく、米中がこの2022年の秋へ向けて、同じように政治の季節を迎えていることは、大変に興味深い状況です。そんな中で、今回の「クアッド」が単純な中国包囲網の確認で終わるとはどうしても考えられません。

プロフィール

冷泉彰彦

(れいぜい あきひこ)ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士(日本語教授法)。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。

最新刊『自動運転「戦場」ルポ ウーバー、グーグル、日本勢――クルマの近未来』(朝日新書)が7月13日に発売。近著に『アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』(CCCメディアハウス)など。メールマガジンJMM(村上龍編集長)で「FROM911、USAレポート」(www.jmm.co.jp/)を連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

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