- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 芥川賞『コンビニ人間』が描く、人畜無害な病理
芥川賞『コンビニ人間』が描く、人畜無害な病理
whitetag-iStock.
<今年の芥川賞受賞作『コンビニ人間』は、コンビニのルーチン作業に居場所を見いだす現代女性が主人公。孤立した人畜無害な生活の中に病理を抱えた、今の時代性を描こうとしているのかもしれない>
芥川賞を受賞した村田沙耶香氏の『コンビニ人間』を読みました。最近の芥川賞は、前回の又吉直樹氏の『火花』や、羽田圭介氏の『スクラップ・アンド・ビルド』もそうですが、筋の良い工芸品のような読み物が増えてきて、あらためて「プロフェッショナル」の仕事としての「書き物」の水準を探る傾向が強くなっています。
今回の『コンビニ人間』は、これまでに受賞した2作にくらべて、ちょっと分かりにくい作品だと思いました。
問題の1つは、キャラクターの造形です。まず主人公の女性は、「社会一般の常識から離れた」キャラとして設定されています。
例えば子供時代に、「死んだ小鳥」を見て「お墓に入れてあげよう」という母親に対して、「お父さんが焼き鳥好きだから食べさせよう」と言ったとか、男の子たちがケンカしているのを見て「誰か止めて」という悲鳴が上がったのを聞いて「じゃあ、止めればいいんだ」と思いスコップで男子の頭を殴って止めた、などという、かなり極端なエピソードでキャラの設定がされているのです。
【参考記事】「反安倍」運動に携わるシニア左翼の実態と彼らのSEALDs評
要するに社会的な関係性とか、場の空気などが理解できない人物であり、それゆえに孤立しているという造形です。その結果、コンビニのルーチン仕事に情熱と居場所を見出していくという説明になっています。
この設定が余り納得できないのです。例えば、「死んだ小鳥がかわいそう」という感覚が分からない一方で、「お父さんは焼き鳥、妹は唐揚げが好き」だから食べさせようという発想法というのは、少なくとも父と妹の喜ぶ顔が見たいという関係性は持っていることが示唆されているわけです。
ですから、この主人公は常識的な性格類型には入っていないのではないかと思います。孤立型でもないし、リケジョ的でも反骨精神でもないわけで、いずれにしても主人公の性格や発想法にはリアリティーを感じるのが難しいのです。
自国の国旗損壊を罪に問うことの深刻さを考える 2026.04.01
ニューヨークの空港衝突事故、パイロット2人の悲しい犠牲 2026.03.25
第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC 2026.03.18
第3次石油ショック(?)への日本の対応を考える 2026.03.04
一般教書演説ではイラン攻撃ではなく物価高対策を強調したトランプ 2026.02.26
裁量労働制の見直しが「働かせ放題」になる危うさ 2026.02.18
エプスタイン疑惑の深層に横たわる2つの問題 2026.02.11
-
未経験歓迎/テスラのセールスアドバイザー 初年度年収800万円可/飛び込みなし/外資系Tech企業/株式付与あり
TeslaJapan合同会社
- 東京都
- 年収400万8円~1,199万4円
- 正社員
-
未経験歓迎/テスラのセールスアドバイザー 初年度年収800万円可/飛び込みなし/外資系Tech企業/株式付与あり
TeslaJapan合同会社
- 東京都
- 年収400万8円~1,199万4円
- 正社員
-
外資系企業のイベントプランナー 企画運営に携われる フレックス制/福利厚生
日本コンベンションサービス株式会社
- 東京都
- 月給25万円~
- 正社員
-
未経験歓迎/テスラのセールスアドバイザー 初年度年収800万円可/飛び込みなし/外資系Tech企業/株式付与あり
TeslaJapan合同会社
- 東京都
- 年収400万8円~1,199万4円
- 正社員






