プレスリリース

東京大学と京セラが新たな社会連携講座を開設

2023年09月26日(火)14時15分
このたび、国立大学法人東京大学大学院工学系研究科(研究科長:加藤 泰浩、以下 東京大学)と京セラ株式会社(代表取締役社長:谷本 秀夫、以下 京セラ)は、「建物・インフラの安全を見守るミリ波モニタリングの開発」に関する社会連携講座※1を開設いたしましたのでお知らせします。
なお、本件は、2022年9月29日(木)に締結した共同研究統括マネジメント実施契約※2に基づき、東京大学と京セラが共同研究を行う社会連携講座のひとつとして取り組んでまいります。

■本社会連携講座開設の背景
日本では、高度経済成長期に数多くの建物やインフラを集中的に整備してきており、これらの施設の老朽化への対応が今後ますます重要となります。不具合が発生してから事後保全をする場合には、莫大な費用がかかることが見込まれており、将来にかかる維持管理・更新費用を可能な限り抑制していくために、予防保全への本格転換に向けた取り組みが求められています。
本講座では、建物やインフラの予防保全への取り組みとして、京セラが開発したミリ波センサーを活用し、建物や橋梁など都市を構成する構造物の安全性をリアルタイムで判定する社会実装可能な技術の確立を目指します。
さらに東京大学では、学部および大学院において、減災構造工学や動力学特論などの建物やインフラの健全性モニタリング技術に関する講義を通じ、ミリ波センサーを含むさまざまな計測技術を用い、日々の健康から建築・都市といった生活空間までの安全・安心の向上を実践できる人材の育成に努めます。

■「建物・インフラの安全を見守るミリ波モニタリング」について
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/369835/img_369835_1.jpg
ミリ波センサーは、ミリ波帯域の電磁波を送受信することにより、計測対象物の距離や速度を計測できるもので、特に車載用センサーとして広く用いられています。さらに、物体の微細な振動を計測することも可能であり、さまざまなアプリケーションへの応用が考えられます。京セラの先進技術研究所では、独自の低ノイズのミリ波センサーハードウェアと振動解析アルゴリズムを開発し、微細な振動を空間的に分解しながら、正確に測定することを可能とする「非接触インテリジェントミリ波センシングシステム」を開発しました。このミリ波センサーを使って、物体に触れることなく、マイクロメートル単位の微細振動を高精度に検知し、固定点から非接触で道路や建物をセンシングすることが可能です。
そして、このセンシングデータを蓄積することで、将来的には建物やインフラの健全性の診断サービスを提供するなど、予防保全に役立つソリューションを提供していきたいと考えています。

■本社会連携講座の概要
表1: https://www.atpress.ne.jp/releases/369835/table_369835_1.jpg

※1:社会連携講座とは、公共性の高い共通の課題について、大学と民間企業または研究機関などの学外機関が、それぞれの技術・知見を活かして共同で研究を実施する制度です。
※2:共同研究統括マネジメント実施契約とは、共同研究統括マネジメントプログラムを実施するための契約です。共同研究統括マネジメントプログラムは革新的な共同研究テーマ創出のため、どのような社会連携講座を開講するのかなどを共同で協議するものです。


詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press
今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

リクルートHD、求人情報子会社2社の従業員1300

ワールド

トランプ氏の出生権主義見直し、地裁が再び差し止め 

ワールド

米国務長官、ASEAN地域の重要性強調 関税攻勢の

ワールド

英仏、核抑止力で「歴史的」連携 首脳が合意
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 5
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 6
    アメリカの保守派はどうして温暖化理論を信じないの…
  • 7
    犯罪者に狙われる家の「共通点」とは? 広域強盗事…
  • 8
    アメリカを「好きな国・嫌いな国」ランキング...日本…
  • 9
    【クイズ】日本から密輸?...鎮痛剤「フェンタニル」…
  • 10
    昼寝中のはずが...モニターが映し出した赤ちゃんの「…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 5
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 10
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中