コラム

高市首相の「解散総選挙」決断で、日本経済はどうなるか?

2026年01月14日(水)12時46分
高市早苗首相

1月13日、訪日した韓国の李在明大統領と奈良で共同記者会見を開いた高市早苗首相。早期解散決断の報道が日本中を駆け巡った via REUTERS

<異例の早期解散が事実上固まった。1月13日の日本市場では、株高、金利上昇、円安が進んだが、これをどう考えればよいか>

高市早苗首相が「早期の解散総選挙を検討」と1月9日に読売新聞が報じ、その後複数のメディアが解散についての観測報道を伝えた。

14日の朝には首相が「自民党幹部に23日召集の通常国会の冒頭で衆議院を解散する意向を伝える」と日経新聞などが報じており、2月上旬の衆院選挙は事実上固まった。年度末を前にした2月の総選挙は、異例のスケジュールと位置づけられる。

2025年10月の政権発足直後から高市政権が世論の高い支持を得ている状況で、2024年の石破政権発足後に衆院選挙で大敗して失った議席を取り戻すことが可能と高市首相は判断したとみられる。昨年末の国会の論戦を通じて、野田佳彦氏率いる野党第一党の立憲民主党への支持が停滞したままであることも、大きな要因だろう。

また、前回の衆院選挙で自民党が失った議席は保守色が強い参政党に流れたとみられ、高市首相が看板となれば議席を取り戻すことが可能という自民党内の声も大きかったのだろう。実際に、高市首相を支えていた多くの自民党議員が議席を失ったため、首相が早く党内基盤を強めたいと考えたことも大きかったのではないか。

今回の早期解散は、多くの政治家にとって予想外だったとみられる。これまでの報道を見ると、野党政治家のほうがより動揺しているようだ。高市首相がどのような名目で総選挙に挑むのかは分からないが、解散権を使える首相が有利な政治情勢を作り出していると思われる。

プロフィール

村上尚己

アセットマネジメントOne シニアエコノミスト。東京大学経済学部卒業。シンクタンク、証券会社、資産運用会社で国内外の経済・金融市場の分析に20年以上従事。2003年からゴールドマン・サックス証券でエコノミストとして日本経済の予測全般を担当、2008年マネックス証券 チーフエコノミスト、2014年アライアンスバーンスタン マーケットストラテジスト。2019年4月から現職。『日本の正しい未来――世界一豊かになる条件』講談社α新書、など著書多数。最新刊は『円安の何が悪いのか?』フォレスト新書。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

〔情報BOX〕米・イスラエルがイラン攻撃、国際社会

ワールド

OPECプラス、増産規模の拡大検討へ イラン攻撃受

ワールド

米軍最高司令官と国防長官、トランプ氏私邸からイラン

ワールド

米・イスラエルがイラン攻撃、最高指導者ハメネイ師ら
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力空母保有国へ
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    がん治療の限界を突破する「細菌兵器」は、がんを「内側」から食い尽くす...カナダの大学が発表
  • 4
    ウクライナが国産ミサイル「フラミンゴ」でロシア軍…
  • 5
    「努力が未来を重くするなら、壊せばいい」──YOSHIKI…
  • 6
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 7
    トランプがイランを攻撃する日
  • 8
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「一人旅が危険な国」ランキン…
  • 10
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 3
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 6
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 7
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 8
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 9
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 10
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story