コラム

「同盟国にも軍事力行使を排除せず」 米国を「安全保障の懸念」に挙げたデンマーク報告書の警鐘

2025年12月11日(木)17時35分

グリーンランドとパナマ運河を巡り経済的・軍事的強制の可能性を否定せず、「グリーンランドは必ず手に入れる。100%だ」「軍事力を使わずにできる良い可能性があるが、テーブルからは何も外さない」「グリーンランドを何らかの形で手に入れる」と繰り返してきた。

トランプ氏と関係のある米国人3人が親米・親トランプ的なグリーンランド人のリストを作成する一方で「デンマークの支配」「コペンハーゲンの無理解」といった物語を米右派メディアに売り込もうとした疑惑も報じられ、デンマーク側の不信感は増幅した。

デンマークは非常に強い親米国で政策連動度が高い

北大西洋条約機構(NATO)欧州加盟国には最も強固で一貫した親米国の英国、ポーランド、オランダに次いで、デンマークはルーマニアやバルト三国とともに非常に強い親米国・政策連動度が高いと位置づけられる。

親米だが独自外交も重視するイタリアやスペイン、ノルウェー、チェコ、スロバキア、独自志向の強いドイツ、フランス、トルコとは違って、政策連動度が高いデンマークが公式文書で米国に懸念を示したことは米欧の亀裂の深さを物語る。

米国第一を前面に出すトランプ氏の国家エゴが同盟関係を揺るがす。報告書は「大国は自国の利益をこれまで以上に優先し、目標を達成するため力を用いるようになっている」「ロシアはウクライナ侵攻を続け、NATOや西側に対してハイブリッド戦を展開している」と指摘する。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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