コラム

不倫口止め料裁判「有罪評決」のトランプ前米大統領を「擁護」...ジョンソン元英首相の論理とは?

2024年06月01日(土)18時00分

67%が「有罪でも大統領選の投票には影響しない」

米NPR/PBSニュースアワー/マリストが5月30日に発表した全米有権者世論調査によると、67%はトランプ氏が口止めの不正会計で有罪になっても大統領選の投票には全く影響しないと回答していた。ジョー・バイデン米大統領の支持率は50%、トランプ氏は48%だった。

17%は、有罪になった場合、トランプ氏に投票する可能性は低くなると回答。ジョンソン氏が書いているように15%はトランプ氏に投票する可能性が高くなると答えた。逆に無罪になっても大統領選の投票に影響はないと答えた有権者は76%にのぼった。

「世論調査を見て『えッ?』と言わざるを得ない。トランプ氏は毎週のようにマンハッタンの法廷で審理を受けることを余儀なくされてきた。左派はトランプ氏のテフロン加工のような無敵ぶりは、彼が政治を腐敗させた証拠だと主張するだろう」(ジョンソン氏)

ジョンソン氏はトランプ支持者の裁判と評決に対する見解に共感しているという。トランプ氏を大統領選の投票から排除し、米国民が彼に投票する機会を奪うために反トランプ勢力が法廷闘争を利用しようとしているように見えると主張している。

断末魔の喘ぎか、アングロサクソン支配の終わりか

「有罪評決は露骨に政治的なものであり、完全に人為的なものだった。民主党の検察官たちは賢明なことをしていると考えていたのだろう。しかし反トランプの法廷闘争は逆効果となり、トランプ氏を傷つけるよりも、むしろ強化することになる」(ジョンソン氏)

「彼の批判者が何を言おうとトランプ氏が最高の力を発揮すれば世界が必要としている力強く自信に満ちたリーダーシップを提供できると信じている」とジョンソン氏は大西洋を越えてトランプ氏に無批判のエールを送る。

英国では7月4日に総選挙が行われる。英紙フィナンシャル・タイムズは最大野党・労働党448議席、保守党138議席と1997年にニューレイバー(新しい労働党)を掲げて誕生したブレア政権をはるかに上回る歴史的な大勝利を予想している。

マーガレット・サッチャー英首相とロナルド・レーガン米大統領のデュエットで幕を開けたネオリベラリズム(新自由主義)は今まさに終わりを告げようとしている。トランプ氏とジョンソン氏のデュエットは断末魔の喘ぎなのか、それともアングロサクソン支配の終わりなのか。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

南ア「イランとの関係断つ理由ない」、米の圧力に抵抗

ビジネス

ナフサ、現時点で直ちに需給上の問題生じていない=赤

ワールド

イランで6病院が避難、医療体制は対応可能な状態=W

ビジネス

基調的な物価上昇率、2%に向けて緩やかに上昇=植田
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったのか?
  • 3
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在の価値でどれくらい? 誰が何のために埋めた?
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 6
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングア…
  • 7
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 8
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story