コラム

なぜ70年代の中東戦争は、あれほど世界経済を「崩壊」させた? 今回も同じ道をたどるのか?

2023年11月03日(金)09時52分

中東における影響力が増大する中国の存在

だが今回は、中国がサウジアラビアとイランの関係正常化を手引きするなど、中東における中国の影響力が大きくなっている。ハマス襲撃と同じタイミングで、習近平(シー・チンピン)国家主席とロシアのウラジーミル・プーチン大統領が会談を行うなど、アメリカを牽制する動きも見られる。

一連の状況を考えると、アメリカもイスラエルに対して無制限に支援するのは難しく、戦況は以前ほど悪化しない可能性が高い。少なくとも国際金融システムに大きな変化は生じないとの予想が大半だ。

イスラエルが地上戦をどう展開するのか、アラブ各国や、ハマスを支援するイランがどう出るのかで状況は変わるものの、強烈なドル安によって市場が大混乱するシナリオは考えにくい。戦況が悪化しても、市場の崩壊といった事態は避けられるだろう。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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