コラム

駐留米軍は本当に必要なのか? 戦後80年の日米関係を棚卸しせよ

2025年01月14日(火)15時30分

日本人の多くはアメリカを大谷翔平の言う「憧れ」を持って眺め、役人はワシントン出張を、学者はアメリカ留学を誇らしげに語る。そしてこちらが憧れる一方、先方は上から目線で日本を見続ける。


アメリカはならず者外交に逆戻り

今回バイデン大統領は、「安全保障上の懸念があるために」、日本製鉄のUSスチール買収を禁止した。トランプ次期大統領は、同盟国デンマークにグリーンランドを売却するよう脅している。もはや「自由と民主主義のための同盟」という美辞麗句が通る時代ではない。むき出しの力と打算が、米外交の基本原則となってきた。19世紀の末、スペインとの戦争でキューバ、フィリピンを奪い、ハワイ王国を併合した「ならず者外交」の時代を思い出す......。

皆、このようにありったけの思いをぶちまけたらいい(ただし野原で)。日米関係の棚卸し、あるいは虫干しだ。それですっきりしたら冷静になって、いま何ができるか、するべきかを考えてみる。選択肢は限られている。日米同盟維持か、スイス型の自主中立か、中国との提携だ。スイス型路線が望ましいが、スイスは強い軍備、徴兵制を持つ。日本は防衛力を何年かかけて整えることはできても、兵士のなり手が足りないだろう。中国との提携は、アメリカの市場や技術を大きく失うことを意味する。

プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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