コラム

ロンドンで放棄される教会が増加、その驚きの行く末は?

2026年03月26日(木)16時34分
ロンドンの歴史ある教会

ロンドンでは高層ビル群の中に歴史ある教会が残っている MIKE KEMP/GETTY IMAGES

<人口は増加しているのに教会に行く人の数はどんどん減っているイギリスで、巨大な教会を維持するのは財政的にも社会的にも困難>

イギリスの1つ特異なところは、人口が劇的に増加しているにもかかわらず、教会に行く人の数がビクトリア時代よりむしろ少なくなっている点だ。

その結果、多くの教会では教区民が減っている。英コメディードラマの『Rev』はこれをテーマにしていて、ロンドン中心部の教会で教区を運営しようと奮闘する聖職者を描くが、その教会に礼拝に来るのはほんの十数人(のクセ強め信者たち)だ。


だから彼は、周りの活気ある大都市と自らの使命のギャップを感じながら、暖房費も維持費もかさむ大きくて古い教会をなんとか保っていこうと四苦八苦する。

ロンドンの金融街ではまさにこれと同じ状況が見て取れる。高層ビル群に囲まれて、何世紀も前に建てられた小さな教会が数多く残っている。その時代には人々はまだこの街に普通に暮らしていて、数ブロックごとに教会が存在したのだ。

いくつかは建築的にも貴重。ロンドン大火の後に歴史的建築家のクリストファー・レンが再建を手掛けたからだ。

例えばフリート街近くのセント・ブライズ教会が挙げられる。著名なジャーナリストが亡くなった時にここで追悼式が行われているので、近代では「ジャーナリストの教会」としての役割を果たしてきた(なぜならフリート街は20世紀後半までジャーナリズムの中心地だったから)。

プロフィール

コリン・ジョイス

フリージャーナリスト。1970年、イギリス生まれ。92年に来日し、神戸と東京で暮らす。ニューズウィーク日本版記者、英デイリー・テレグラフ紙東京支局長を経て、フリーに。日本、ニューヨークでの滞在を経て2010年、16年ぶりに故郷イングランドに帰国。フリーランスのジャーナリストとしてイングランドのエセックスを拠点に活動する。ビールとサッカーをこよなく愛す。著書に『「ニッポン社会」入門――英国人記者の抱腹レポート』(NHK生活人新書)、『新「ニッポン社会」入門--英国人、日本で再び発見する』(三賢社)、『マインド・ザ・ギャップ! 日本とイギリスの〈すきま〉』(NHK出版新書)、『なぜオックスフォードが世界一の大学なのか』(三賢社)など。

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