タイレノールと自閉症の関連示す決定的証拠なし=ケネディ米厚生長官
10月29日、ケネディ米厚生長官は、米ケンビューが製造する市販鎮痛薬「タイレノール」について、自閉症を引き起こすことを示す証拠はないが、それでも慎重に使用すべきだと表明した。写真は「タイレノール」の箱。9月24日、ペンシルベニア州シュウェンクスビルで撮影(2025年 ロイター/Hannah Beier)
Susan Heavey Ahmed Aboulenein
[ワシントン 29日 ロイター] - ケネディ米厚生長官は29日、米ケンビューが製造する市販鎮痛薬「タイレノール」について、自閉症を引き起こすことを示す証拠はないが、それでも慎重に使用すべきだと表明した。トランプ大統領は1カ月前に保健当局がタイレノールの使用制限を推奨すると発言していた。
28日には南部テキサス州がケンビューを提訴している。同薬はアセトアミノフェンとしても知られ、何十年にもわたり販売されている。
ケネディ氏は記者団に対し「妊娠中および周産期にタイレノールを投与した場合の因果関係について、確かに自閉症を引き起こすとは言い切れない。しかしその可能性は十分考えられる」と述べ、動物実験、血液検査、観察研究の結果を引用。その上で「この問題には慎重に取り組むべきだ」と付け加えた。
トランプ氏は9月、科学的な裏付けを一切引用することなく、妊婦に対し、タイレノールを服用しないよう警告した。この根拠のない主張は当初、2023年にジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)から分離したケンビューの株価に打撃を与え、多くの医師からの反発を招いた。
ケンビューはタイレノール服用と自閉症との科学的関連性はないと繰り返し主張、そうした示唆が妊産婦の健康を危険にさらす可能性があると警告している。
同社は米食品医薬品局(FDA)に対し、タイレノールの表示ラベルに自閉症についての警告記載を義務付ける要請を却下するよう求めている。
ケンビューは声明で「ケネディ長官が述べた通り、妊婦への最善のメッセージはアセトアミノフェン服用前に医療専門家に相談することで、これは当社のタイレノールの表示ラベルで消費者に指示している内容と一致する。またアセトアミノフェン服用と自閉症の間に決定的な因果関係はないという点にも異論はない」と述べた。





