成長率予想、25年度+0.7%に小幅引き上げ 見通し実現なら利上げ=日銀展望リポート
日銀は30日に発表した展望リポート(経済・物価情勢の展望)で、2025年度の実質国内総生産(GDP)見通しをプラス0.7%と前回から小幅に引き上げた。写真は日銀本店。2009年3月撮影(2025年 ロイター/Yuriko Nakao)
Kentaro Sugiyama
[東京 30日 ロイター] - 日銀は30日に発表した展望リポート(経済・物価情勢の展望)で、2025年度の実質国内総生産(GDP)見通しをプラス0.7%と前回から小幅に引き上げた。消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)の見通しは維持した。金融政策運営について、経済と物価の見通しが実現していくとすれば引き続き政策金利を引き上げる方針を改めて示した。
実質国内総生産(GDP)の政策委員見通しの中央値は、25年度を前回のプラス0.6%からプラス0.7%に引き上げた。26年度はプラス0.7%、27年度はプラス1.0%で維持した。
消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)の見通し中央値は、25年度がプラス2.7%、26年度がプラス1.8%、27年度はプラス2.0%。いずれも据え置いた。
リスク要因がさまざまある中で、特に各国の通商政策などの影響を受けた海外の経済・物価動向を巡る不確実性について「なお高い状況が続いている」と指摘。金融・為替市場や日本経済・物価への影響に十分注視する必要があるとした。
今後の経済が見通しを上振れる、あるいは下振れる可能性は「26年度は下振れリスクの方が大きい」とした。物価の見通しは「おおむね上下にバランスしている」との見方を示した。
日銀は金融政策の先行きについて、現在の実質金利が極めて低い水準にあることを踏まえた上で、「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」とした。
もっとも、見通しが実現していくかについては各国の通商政策などを巡る不確実性がなお高い状況が続いていることを踏まえ、「内外の経済・物価情勢や金融市場の動向等を丁寧に確認し、予断を持たずに判断していくことが重要」と指摘した。
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