シリア暫定大統領、サウジでのイベントで投資呼びかけ
10月29日、シリアのシャラア暫定大統領(写真左)は、サウジアラビアの首都リヤドで開催された金融イベントに集まった金融・エネルギー業界首脳らに対して投資を呼びかけた。同日、リヤドで撮影。Future Investment Initiative Media Center提供(2025年 ロイター)
Timour Azhari Yousef Saba
[リヤド 29日 ロイター] - シリアのシャラア暫定大統領は29日、サウジアラビアの首都リヤドで開催された金融イベントに集まった金融・エネルギー業界首脳らに対して投資を呼びかけた。シリアは今年に入ってから既に総額280億ドルの投資を確保したが、さらに多くの投資を受け入れる準備が整っていると力説した。
イベント「未来投資イニシアチブ」で、シャラア氏は「わが国は投資による復興の道を選んだ。援助や支援によってシリアを再建する道は選ばなかった」とし、「シリアが誰かの負担になることを望んではいない。私たち自身の手でシリアを再建したい」と説明。また、シリアの法律改正により、資本と利益の大部分を本国に送金できるようになったことも紹介した。
シリアにはカタールやサウジなどの富裕国が既に投資を約束しているが、これを上回る規模の投資を求めている。シャラー氏はクウェートやバーレーン、ヨルダン、トルコなどからの追加投資獲得に向けて協議を進めていると明らかにした。
世界銀行の報告書は、シリアの復興には2160億ドルを要すると予測している。シャラア氏はこの金額が「控えめな最も低い推定値」だとの見解を示し、「シリアは物資輸送の重要な貿易回廊となる。世界は現在、東西間のサプライチェーン(供給網)や、欧州向けのガス供給網の不安定化に直面している」と訴えた。
イベントのテーマである「繁栄の鍵」に沿い、シャラア氏はシリアへの投資の「鍵」を握っているのがサウジだと強調。これに対して聴衆から拍手が起こり、最前列に座っていたサウジのムハンマド皇太子は満面の笑みを浮かべた。
サウジは今年7月、シリアに対して60億ドル超の投資を約束した。うち不動産・インフラ分野が29億3000万ドル、通信・情報技術分野が約10億7000万ドルとなっている。
シャラア氏はリヤドで国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティノ会長といった要人と会談し、28、29両日には来場者と自撮り写真を撮影した。





