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米石油・ガス上流部門M&A、第3四半期は28%減 原油価格低迷響く

2025年10月23日(木)09時39分

 10月22日、米石油・ガス上流部門(開発や採掘)での企業の合併・買収(M&A)は、第3・四半期の発表ベース総額が97億ドルと、前年同期比28%減少したと、米エネルギー関連テクノロジー企業エンバラスが明らかにした。写真は主要石油会社5社(エクソンモービル、トタルエナジーズ、シェブロン、BP、シェル)のロゴ画像(2025年 ロイター)

Georgina McCartney

[ヒューストン 22日 ロイター] - 米石油・ガス上流部門(開発や採掘)での企業の合併・買収(M&A)は、第3・四半期の発表ベース総額が97億ドルと、前年同期比28%減少した。米エネルギー関連テクノロジー企業エンバラスが22日明らかにした。

前年比マイナスは3期連続。原油価格の低迷が続き、買い手が様子見姿勢を維持したことが背景にある。

同部門のM&Aは、エクソンモービルがナチュラル・リソーシズを600億ドルで買収すると発表した2023年に過去最高の1920億ドルに達した後、昨年は1050億ドルとなった。

米原油先物価格は第3・四半期平均で1バレル=65ドル前後と、多くの生産者の採算ライン付近で、前年同期よりも10ドル低かった。

エンバラス・インテリジェンス・リサーチの主席アナリスト、アンドルー・ディトマー氏は「60ドル台半ばかそれ以下の原油価格では、売り手とりわけ石油関連資産の比重が大きいプライベートエクイティーにとって厳しかった」と指摘した。

第3・四半期のM&Aでは、クレセント・エナジーによる全額株式でのバイタル・エナジー買収(30億ドル)が大きな割合を占めた。

足元では原油よりも天然ガス資産への関心が高く、米国の液化天然ガス(LNG)輸出能力が拡大するとともに、アジア企業が米ガス資産への投資に乗り出しつつある。

日本の発電会社JERA(ジェラ)は約17億ドルで米天然ガス生産会社を買収する協議を進めており、台湾中油(CPC)もシェールガス資産購入に向けた話し合いを開始したという。

ロイター
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