米エネルギー省、戦略石油備蓄に100万バレル原油購入を検討

　１０月２１日、米エネルギー省は、戦略石油備蓄（ＳＰＲ）を積み増すために原油１００万バレルの購入を検討していると発表した。写真はエネルギー省のクリス・ライト長官。ウィーンで９月１５日撮影（２０２５年　ロイター/Lisa Leutner）

Timothy Gardner

[ワシントン ２１日 ロイター] - 米エネルギー省は２１日、戦略石油備蓄（ＳＰＲ）を積み増すために原油１００万バレルの購入を検討していると発表した。原油価格が比較的安値で推移しているのを活用し、ＳＰＲを補充するのが狙いだ。

ＳＰＲの入札への参加を今月２８日まで受け付ける。バイデン前政権は、世界有数の産油国のロシアが２０２２年にウクライナへ侵攻した後に１億８０００万バレルを販売したのを含め、歴代政権で最高となる量をＳＰＲから売却した。

ＳＰＲの収容能力は約７億バレルあるが、現在の備蓄量は４億０９００万バレル弱にとどまっている。

トランプ大統領が主導した税制・歳出法にはＳＰＲの原油購入と維持・管理のために約１億７１００万ドルが計上されたが、これは当初法案に盛り込んでいた１３億ドルを大きく下回る。このためＳＰＲ向けの原油購入の拡大には、新たな法案の成立が必要になる見通しだ。

エネルギー省のクリス・ライト長官は、トランプ氏が議会の協力を得てＳＰＲの補充を目指しているとして「このプロセスが一夜で完了するわけではないが、これらの措置はエネルギー安全保障の強化と、（バイデン）前政権の費用がかさんだ無責任なエネルギー政策の是正に向けた重要な一歩となる」と主張した。