ガザ和平協議2日目、イスラエルの攻撃継続 交渉長期化の恐れ

パレスチナ自治区ガザの和平案を巡るイスラエルとイスラム組織ハマスによる間接協議が2日目に入った7日、イスラエル軍は戦車・艦艇・戦闘機を用いてガザ地区への攻撃を続けた。写真は、イスラエル南部から見たガザに上る煙。7日撮影(2025年 ロイター/Ronen Zvulun)
[シャルムエルシェイク(エジプト) 7日 ロイター] - パレスチナ自治区ガザの和平案を巡るイスラエルとイスラム組織ハマスによる間接協議が2日目に入った7日、イスラエル軍は戦車・艦艇・戦闘機を用いてガザ地区への攻撃を続けた。ハマスは戦闘停止に向けトランプ米大統領の和平案に基づく合意の成立を目指すとしながらも、一連の要求があると表明。仲介国エジプトで行われている交渉は難航し、長期化する可能性がある。
10月7日はガザ地区での戦闘開始につながったハマスによるイスラエル襲撃から2年。イスラエル軍が陸海空からガザ地区の複数の地域を攻撃する中、ガザの武装勢力はイスラエルに向けてロケット弾を発射するなど戦闘が止む気配はない。
エジプト北東部のシャルムエルシェイクで行われているイスラエルとハマスの間接協議には米国も関与しており、トランプ大統領はこの日、大統領執務室で記者団に対し、米国の交渉団が協議に参加するため出発したと明らかにした上で、「ガザ地区にとどまらず、中東に和平がもたらされる可能性がある」とし、合意に向けた進展に楽観的な見方を示した。
ハマス幹部のファウジ・バルフーム氏は、イスラエルに対する奇襲攻撃から2年の節目にあたり、テレビ声明でハマスの立場を改めて表明。和平合意には恒久的かつ包括的な停戦とイスラエル軍によるガザ地区からの完全撤退がが盛り込まれなければならないとしたほか、パレスチナの「国民的テクノクラート機関」の監督下での包括的な復興の即時開始を求めていると述べた。
イスラエルはハマスの武装放棄を要求しており、ハマスはこれを拒否。イスラエルのネタニヤフ首相はエジプトでの協議の進展状況について今のところコメントしていない。
トランプ大統領が示したガザ和平案には戦闘停止と人質解放のほか、ガザ地区への支援などが盛り込まれており、イスラエルとハマスは原則的に大枠に支持を表明。アラブ諸国と西側諸国も支持を示している。ただ、ガザ地区の統治について、トランプ大統領とネタニヤフ首相はハマスにいかなる役割も認めない姿勢を表明。和平合意が成立してもガザ地区の統治と再建を巡る大きな課題は残る。