タイ警察、国境係争地域でカンボジア民間人に催涙ガス使用

［バンコク　１８日　ロイター］ - タイ警察は１７日、国境の係争地域でカンボジアの民間人に対し催涙ガスとゴム弾を使用した。両国の当局者が明らかにした。７月の停戦以降で最も顕著な緊張激化となった。

カンボジア当局によると、少なくとも２３人のカンボジア人が負傷した。タイ軍も自国の当局者数人が負傷したとしている。

タイ当局は先月、国境の係争地域に有刺鉄線のフェンスを設置し、数週間にわたり国境の両側で民間人による抗議活動が続いていた。

カンボジアのピアクトラ情報相は１７日、タイ当局が国境を越えて侵入し、「カンボジアの民間人に対して催涙ガス、ゴム弾、騒音発生装置」を使用したと非難した。

カンボジア政府はフン・マネット首相が世界の指導者に書簡を送り、タイに「緊張を高め、紛争を拡大させかねない一方的な行動」をやめさせるよう国際社会と東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）の支援を求めたと明らかにした。

タイ軍は声明で、カンボジア人抗議者約２００人の挑発行為に対する措置だったと説明。一部の抗議者はタイの防御フェンスを破壊し、タイ当局者に棒や石を投げるなどして負傷者を出したとした。その上で、機動隊の行動は事態が暴動に発展するのを防ぐのが目的だったと述べた。

米政府はこの状況を承知しているとし、両国政府に緊張緩和を求めた。