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エプスタイン問題、米2議員が国民信頼損ね共和党に選挙で打撃と警告

2025年07月28日(月)10時02分

7月27日、少女らへの性的虐待罪で起訴され自殺した米富豪ジェフリー・エプスタイン氏を巡る問題について、共和党のトーマス・マッシー下院議員と民主党のロー・カンナ下院議員はNBCテレビに出演し、問題が国民のトランプ政権に対する信頼を損ない、共和党には2026年の中間選挙で議会の支配を維持する希望に望みを打ち砕く可能性があるとの見方を示した。写真は23日、エプスタイン氏を巡る問題が表示されたニューヨーク・タイムズスクエアのディスプレイ(2025年 ロイター/Jeenah Moon)

David Morgan

[ワシントン 27日 ロイター] - 少女らへの性的虐待罪で起訴され自殺した米富豪ジェフリー・エプスタイン氏を巡る問題について、共和党のトーマス・マッシー下院議員と民主党のロー・カンナ下院議員は27日、NBCテレビに出演し、問題が国民のトランプ政権に対する信頼を損ない、共和党には2026年の中間選挙で議会の支配を維持する希望に望みを打ち砕く可能性があるとの見方を示した。

両議員は政府が保有するエプスタイン関連文書の全面公開を求める超党派決議案の採決を下院に求めており、透明性の欠如が「富裕層や権力者は司法制度の手が届かない存在だ」という国民の認識を強めていると指摘した。

共和党は現在、下院で219対212の多数(空席4)、上院で53対47の多数をそれぞれ維持しているが、米国の政治の流れは中間選挙で現職大統領の所属政党が不利になりがちだ。

ケンタッキー州選出の保守強硬派マッシー議員は「この問題が中間選挙で共和党に打撃となるだろう。富裕層や権力者の責任を追及しなければ有権者は無関心になる」と語った。

カリフォルニア州選出のカンナ議員はボンディ司法長官が「エプスタイン氏の顧客リストは存在しない」と発言したために「信頼の危機」が生じたと述べた。ボンディ氏はこれまでリストが存在すると示唆していた。発言がぶれたためにトランプ支持層(MAGA)から辞任要求の嵐を引き起こした。カンナ議員は「政府に対する信頼性の問題だ」と語った。

トランプ大統領はエプスタイン氏の刑事告発および2019年の獄中自殺に関する調査資料の扱いについて、政権に対する疑問が収まらない状況にいら立ちを見せている。

マッシー議員とカンナ議員は夏季休会明けの9月に議会が再開される際、決議案の採決を強行するだけ十分な支持を得られると考えている。ただ共和党指導部、特にマイク・ジョンソン下院議長からの反対に直面している。

ジョンソン氏もまたNBCテレビに出演し「マッシー氏とカンナ氏の決議案は、起草と提示の仕方が無謀だ」とし、「被害者保護が不十分」と語った。

これに対しマッシー氏は「ロー(カンナ氏)と私は、被害者の名前が伏せられるよう慎重に法案を作成した。彼らはそれを口実にして隠れているだけだ」と反論した。

ロイター
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