ニュース速報
ワールド

米首都で34年ぶり軍事パレード、トランプ氏誕生日 各地で抗議デモ

2025年06月15日(日)12時25分

 トランプ米政権は14日、首都ワシントンで陸軍創設250周年を記念する軍事パレードを開催した。この日はトランプ大統領の79歳の誕生日にもあたり、全米各地で政権に抗議するデモが行われた。写真はパレードの様子。首都ワシントンで代表撮影(2025年 ロイター)

[ワシントン/ロサンゼルス/ニューヨーク 14日 ロイター] - トランプ米政権は14日、首都ワシントンで陸軍創設250周年を記念する軍事パレードを開催した。この日はトランプ大統領の79歳の誕生日にもあたり、全米各地で政権に抗議するデモも行われた。

首都での大規模な軍事パレードは1991年、湾岸戦争後に開催されて以来34年ぶり。

ブラスバンドの演奏とともにパレードが始まる中、ナショナル・モール近くのコンスティテューション・アベニュー沿いには多くの観客が集まった。トランプ氏は防弾ガラス越しに観覧し、紹介されると歓声を浴びた。

トランプ氏は「他の国々は皆、勝利を祝っている。そろそろ米国もそうすべき時だ」と群衆に語った。

ヘグゼス国防長官やルビオ国務長官ら政権高官の姿も見られた。

陸軍は、25両以上のM1エイブラムス戦車、28両のストライカー装甲車、4両のパラディン自走砲、M777やM119といった大砲など計150両の軍用車両とともに、7000人近い兵士をワシントンに集結させた。

米当局者らがロイターに語ったところによると、この式典には装備品の移動や兵士の宿泊・食事費用などを含め2500万─4500万ドルかかるという。

特にトランプ氏が連邦政府のコスト削減を目指していることを踏まえると、パレードは権威主義的な権力の誇示で、無駄が多いとの批判が出ている。

<各地でデモ>

この日はパレードが始まる前にワシントンのほか、ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルスなど各地で政権の政策に抗議するデモが行われた。

デモはおおむね平和的なもので、1月のトランプ氏就任以降で最大規模の抗議運動となった。

一方、移民取り締まりへの抗議デモが続くロサンゼルスでは依然として緊迫した状況が続いた。ダウンタウンの夜間外出禁止令が導入される約1時間前には、騎馬警官らがガスや閃光弾などの非致死性の武器を使ってデモ参加者を激しく押し戻し、大勢の人々がパニックに陥り逃げ惑った。

警察によると、デモ参加者らは「業務用花火」や石、瓶などを警官に向けて投げつけた。一部の参加者はガスマスクやヘルメットを着用し、今後何時間も現場にとどまると主張した。

これに先立ち、ダウンタウンにある連邦ビルの前では約50人の海兵隊員が撤退を求める数百人のデモ隊と対峙した。

反トランプ団体は軍事パレードに合わせて全米約2000カ所でデモを計画した。その多くは「No Kings(王はいらない)」というテーマで行われ、いかなる個人も法の上には立たないと主張した。

シカゴのダウンタウンではデモ参加者らが警察に抵抗し、逆さまの国旗を振りながら「誰を守るのか?誰に仕えるのか?」「正義なくして平和なし」などと叫んだ。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、大統領権限でウクライナに武器供与する意

ビジネス

テスラのロボタクシー、加州当局「未申請」 マスク氏

ワールド

米、カナダに35%の関税 他の大半の国は「一律15

ワールド

ブラジル大統領、米50%関税に報復示唆 緊張緩和へ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」
  • 3
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    アメリカを「好きな国・嫌いな国」ランキング...日本…
  • 6
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 7
    アメリカの保守派はどうして温暖化理論を信じないの…
  • 8
    【クイズ】日本から密輸?...鎮痛剤「フェンタニル」…
  • 9
    犯罪者に狙われる家の「共通点」とは? 広域強盗事…
  • 10
    ハメネイの側近がトランプ「暗殺」の脅迫?「別荘で…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 5
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 10
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中