COP29、政治的緊張で協議難航 アルゼンチンは離脱
11月14日、アゼルバイジャンの首都バクーで開催されている国連気候変動枠組み条約第29回締結国会議(COP29)では、政治的緊張により協議に暗雲が垂れ込め、アルゼンチンが代表団をバクーから引き揚げた。写真はCOP29のロゴ。アゼルバイジャンのバクーで撮影(2024 ロイター/Murad Sezer)
Kate Abnett Olesya Astakhova Virginia Furness
[バクー 14日 ロイター] - アゼルバイジャンの首都バクーで開催されている国連気候変動枠組み条約第29回締結国会議(COP29)では、政治的緊張により協議に暗雲が垂れ込め、アルゼンチンが14日に代表団をバクーから引き揚げた。ただ、各国は気候変動対策費1兆ドルの調達方法について協議の進展を図っている。
COP29成功の是非は、先進国や開発金融機関、民間部門が毎年拠出する新たな資金の目標について各国が合意できるかどうかで決まる。エコノミストによると、発展途上国は気候変動に対処するため2030年まで少なくとも年間1兆ドルの資金を必要としている。
多くの国は、この資金は来年にブラジルで開催されるCOP30より前に踏み込んだ気候変動対策目標を設定する上で重要だと表明している。
だが今年の会議では、意見の不一致や世界的な政治情勢の変化を巡る悲観的な見方を背景に、協議のとりまとめは難航しそうだ。
米大統領選でトランプ前大統領が勝利したことで気候変動対策における米国の将来的な役割に疑念が生じている上、会議場では先進国と発展途上国間のあつれきも表面化した。
14日には「気候金融における独立ハイレベル専門家グループ(IHLEG)」が、各国が今すぐに行動しなければ、年間の目標資金を2035年までに少なくとも1兆3000億ドルに引き上げる必要があるとの推計を示した。
水面下では各国の交渉担当者が草案の策定に取り組んでいるが、国連が公表したこれまでの文書では、見解には依然として大きな隔たりがあることが示されている。
バクーに到着した多くの西側の政府代表者は、高額な支援を約束するのに消極的だ。米国が将来の資金援助から離脱する可能性があることも、必要な資金を確保する他の方法を見つけなければならないという参加者への重圧になっている。
アルゼンチンが代表団を引き揚げたのは、本国政府からの指示だった。
同国の大統領報道官はブエノスアイレスでの記者会見でこの措置について、新任のヘラルド・ウェルテン外相が「状況を検証し直して、立ち位置に反映」できるようにするためだと説明した。
一方、スランスのパニエリュナシェ・エコロジー移行相は13日、COP29に出席しないと明らかにした。アゼルバイジャンのアリエフ大統領が、フランスが海外領土で犯罪をしているなどと非難したことに反発したためで、南太平洋のフランス領ニューカレドニアで起きた暴動を巡る両国の対立が激化している。
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