ニュース速報

ワールド

オデーサ集合住宅に着弾、10人死亡 ウクライナが黒海要衝の蛇島奪還

2022年07月01日(金)13時31分

 7月1日未明、ウクライナ南部の港湾都市オデーサ(オデッサ)で、ロシアのミサイルが集合住宅に着弾し、少なくとも10人が死亡した。前日にはウクライナ軍が黒海の戦略的前哨基地である蛇島をロシア軍から奪還した。4月撮影(2022年 ロイター/Nacho Doce)

[キーウ(キエフ) 1日 ロイター] - ウクライナ南部の港湾都市オデーサ(オデッサ)で1日未明、ロシアのミサイルが集合住宅に着弾し、少なくとも10人が死亡した。地元当局者が明らかにした。前日にはウクライナ軍が黒海の戦略的前哨基地である蛇島をロシア軍から奪還した。

当初は子ども3人を含む6人が死亡したと伝えられていたが、オデーサの行政機関報道官は「死者が10人に増加した」と通信アプリ「テレグラム」に投稿した。

ロイターは独自に詳細を確認できていない。

ロシア軍は30日、蛇島から引き揚げた。ウクライナ側が勝利した格好でロシアによるウクライナの港湾封鎖の手が緩む可能性がある。

ロシアは、ウクライナからの穀物輸送を可能にする人道的回廊設置に向けた国連の取り組みをロシアが妨害していないことを示すために、「善意のしるし」として蛇島からの撤退を決定したと発表した。

一方、ウクライナはロシア軍が砲撃とミサイル攻撃を受けて撤退したと発表。ゼレンスキー大統領は戦略的勝利を収めたとし、ビデオ演説で「これはまだ安全を保証するものではなく、敵が戻ってこないことを保証するものでもない。しかし、これは占領者の行動を大幅に制限するものだ。一歩一歩、われわれの海、陸、空から彼らを追い出す」と述べた。

これとは対照的に、ウクライナ東部ルガンスク州の都市リシチャンスクでは、ロシアの優位な火力に対してウクライナ軍が必死に防戦している。

同州のガイダイ知事はテレビを通じ、ロシア軍の砲撃はさまざまな方向から行われ、ロシア軍も複数の方向から接近していると明らかにした。

ゼレンスキー氏は「占領者の火力の優位性は依然として非常に明白だ」と述べた。

バイデン米大統領は北大西洋条約機構(NATO)首脳会議閉幕後に米政府が数日中にウクライナに対する8億ドル規模の追加軍事支援を発表すると表明。米国およびNATO加盟国はロシアのプーチン大統領に立ち向かうために結束していると述べた。

また、記者会見で「どのような結末を迎えるのかは分からないが、ロシアがウクライナで敗北するだけでは終わらないだろう。ウクライナはすでにロシアに深刻な打撃を与えている」とし、「われわれはウクライナをいつまでも支援していく」と語った。

<煙と炎>

ウクライナ軍は上空から蛇島を撮影したとみられる画像をフェイスブックに投稿。数本の黒煙が立ち上がる様子が映され、「(敵軍は)島を後にしたようだ。現在、蛇島は炎に包まれ、爆発が起こっている」とした。

ウクライナ軍幹部によると、ウクライナ軍はまだ蛇島を占領していないが、占領するつもりだという。

米国を拠点とする外交政策研究所(FPRI)のロブ・リー氏は「最も重要な点はウクライナ経済と世界の食料供給に不可欠な港湾都市オデーサからの穀物輸出に道が開かれる可能性があることだ」と述べた。

また、ロシアが蛇島から撤退したのは「NATOがウクライナに兵器を提供した結果だ」とした。

ブリンケン米国務長官はロシアが意図的に世界の飢餓を引き起こし「脅迫」していると非難しているのに対し、ロシア側は港湾の封鎖を否定し、西側諸国の制裁によってロシアの輸出が制限され食料不足を招いていると主張している。

プーチン大統領は30日、ロシアはウクライナの穀物輸出を妨げていないとした上で、ウクライナの農産物が世界の食料市場から失われたとしても影響は軽微との見方を示した。

*動画を付けて再送します。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:欧州で若者向け住宅購入の新ビジネス、価格

ワールド

焦点:道半ばの中国「社会保険改革」、企業にも個人に

ワールド

昨年の関税合意実施を米と確認、日本が不利にならない

ビジネス

米国株式市場=続落、ダウ453ドル安 原油高と雇用
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だったはずの中国が、不気味なまでに静かな理由
  • 2
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示さない
  • 3
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗雲...専門家「イランの反撃はこれから」「報道と実態にズレ」
  • 4
    10歳少女がライオンに激しく襲われる...中国の動物園…
  • 5
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 6
    「みんな一斉に手を挙げて...」中国の航空会社のフラ…
  • 7
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 8
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 9
    「巨大な水柱に飲み込まれる...」米海軍がインド洋で…
  • 10
    【WBC】侍ジャパン、大谷翔平人気が引き起こした球場…
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 5
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 9
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 10
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中