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北朝鮮が安保理直後に弾道ミサイル、米韓は失敗と推定

2017年04月29日(土)17時03分

 4月29日、菅義偉官房長官(写真)は、北朝鮮の弾道ミサイル1発が同日発射されたことについて、断じて容認できず厳重に抗議する、と記者会見で語った。写真は都内で2015年1月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

[ソウル/東京 29日 ロイター] - 北朝鮮は29日朝、平壌の北方の内陸部から弾道ミサイル1発を発射した。米韓当局によると、発射は失敗したもよう。国連の安全保障理事会が北朝鮮問題をめぐる閣僚級会合を開き、議長を務めた米ティラーソン国務長官が、ミサイル・核開発を止めなければ「破滅的な結果」を招くと訴えた直後だった。

日本政府によると、北朝鮮は午前5時半ごろ、平安南道北倉付近から弾道ミサイルを北東方向に発射した。約50キロ離れた同国内陸部に落下したもよう。米韓当局は失敗したと推定している。これで発射は4回連続で失敗。米軍は中距離弾道ミサイル「KN17」の可能性があり、発射後数分で爆発したとみている。韓国軍によると、高度71キロまで上昇したようだという。

今回の弾道ミサイル発射は、北朝鮮問題を協議する国連安保理の閣僚級会合の直後だった。議長を務めた米ティラーソン国務長官は、「ソウルや東京への核攻撃は現実の脅威であり、北朝鮮が米国本土を攻撃できる能力を備えるのも時間の問題」と指摘。「世界で最も差し迫った安全保障問題に対し、今行動しなければ破滅的な結果を招く恐れがある」と、参加国に制裁強化を呼び掛けていた。

中国の役割拡大を求めている米トランプ大統領は、今回のミサイル発射を受け、「発射は失敗に終わったが、中国と尊敬すべき習近平国家主席に敬意を払っていない。ひどい話だ」とツイッターに投稿した。米政府関係者は、新たな制裁を課すタイミングを速める可能性がある、と話す。

すべての選択肢がテーブルにあるとする米国は、制裁と外交圧力で北朝鮮に核・ミサイル開発の放棄を迫る一方、軍事的な手段も排除していない。朝鮮半島に向けて航行中の米空母カール・ビンソンは29日、対馬海峡を通過して日本海に到達した。韓国南部の釜山に入港している米原子力潜水艦ミシガンと合流する。

日本の菅義偉官房長官は官邸内で緊急会見し、「明白な国連安保理決議への違反。日米韓3カ国で連携し、北朝鮮に自制、安保理決議の遵守を求める」と述べた。菅長官はまた、「(北朝鮮に影響力があるとされる)中国やロシアともしっかり連携し、万全の対応を取る」と記者団に語った。 日本は北京の大使館ルートを通じ、北朝鮮に厳重抗議した。

東京では地下鉄の東京メトロが午前6時7分から10分間、全線で運転を見合わせた。ミサイル発射に伴う運転見合わせは今回が初めて。JR西日本も午前6時10分から9分間、北陸新幹線の一部区間で運転を見合わせた。

*情報を追加しました。

(山口貴也)

ロイター
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