デジタルユーロ、EU理事会がオンライン・オフライン両機能を支持
2019年4月9日、ドイツ・フランクフルトで撮影。REUTERS/Kai Pfaffenbach
[ミラノ 19日 ロイター] - 欧州連合(EU)理事会は19日、オンラインとオフラインの両機能を含むデジタルユーロを支持する立場を示した。オフラインでの使用のみに焦点を当てた欧州議会の提案と一線を画した形だ。
EU理事会の新たな立場では、欧州中央銀行(ECB)がデジタルユーロを発行し、利用者がインターネットに接続しているかオフラインであるかにかかわらず、いつでもどこでも使用できるようになる。
欧州議会のデジタルユーロに関する報告者は、利用者のプライバシーと通貨自体の強靭性を守るためオフラインのみのモデルを提唱し、ECBが規制機関として機能するとしていた。
オンライン取引は中銀の台帳または認可された仲介業者を通じて即時に処理される。一方、オフライン取引はローカルで記録され、接続が再開されたときに中央台帳と同期される。これにより、接続状態の悪い地域でもシステムを利用でき、利用者にとっては現金のようにプライバシーが保たれる。
EU理事会の閣僚は日常的な柔軟性や停電時の強靭性のためにオフラインでの使用を支持した。同時に、より広範なデジタル決済をサポートするためオンラインアクセスも盛り込んだ。
理事会の指令は、銀行からの預金流出によって金融安定が脅かされ事態を防ぐためデジタルユーロの保有量に制限を設けるなど主な設計上の特徴を定めている。
理事会の合意を受け、デジタルユーロの法的枠組みに関する欧州議会との交渉に道が開かれる。加盟各国政府を代表するEU理事会は、欧州議会とともに法律の採択に取り組む。
法律が採択されれば、ECBはデジタルユーロ発行が可能になる。ECBは2027年の試験段階を経て29年までに運用を開始できるとしている。





