米NY連銀総裁「FRBは今後の対応態勢整う」、来年の米経済に楽観
写真は米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁。ニューヨークのエコノミック・クラブで9月撮影。REUTERS/Kylie Cooper/File Photo
Michael S. Derby
[ ジャージーシティー(米ニュージャージー州) 15日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は15日、米連邦準備理事会(FRB)が先週決定した利下げによって、今後の状況に対応できる態勢が整ったとし、雇用市場の冷え込みでインフレは鈍化するとの見方を示した。
ニュージャージー州銀行協会が開催したイベントで発言した。
同総裁は「2026年に向けて、金融政策は良好な状態にある」とし、最近の緩和により、米連邦公開市場委員会(FOMC)は「緩やかに引き締め的な金融政策スタンスを中立へと移行させた」との認識を示した。
また、雇用市場に「過度のリスク」を生じさせず、インフレ率を2%に戻すことが「不可欠」だと指摘。「私の評価では、ここ数カ月、労働市場の冷え込みに伴い雇用の下振れリスクは高まっている一方で、インフレの上振れリスクは幾分減少している」とした。
来年の米国経済成長については、より楽観的な見方を示した。関税は予想ほど物価に影響を与えていないとし、一時的な価格上昇を招いているように見えるものの、物価上昇圧力の持続的な上昇にはつながらないとした。その上で、関税が物価圧力に与える影響は「26年に完全に現れる」とし、インフレ率は来年2.5%となるものの、27年には2%に緩和するだろうとした。
同総裁はまた、「今後数年間で失業率は徐々に低下すると予想している」との認識も示した。「労働市場は明らかに冷え込んでいるが、これは継続的かつ緩やかなプロセスであり、解雇急増やその他の急速な悪化の兆候は見られないことを強調したい」と述べた。
さらに、商業用不動産セクターについて、ローン金利の高止まりを背景に幅広い懸念がある中でも、比較的堅調に推移しているとの見方を示唆。商業用不動産を「ストレス事象とは見ていない」とした上で、同セクターの企業は高金利での借り換えを行っているものの、金利は歴史的に見てそれほど高い水準ではないとの見方を示した。
このほか同総裁は、米連邦準備理事会(FRB)による先週の追加利下げ決定は正しい判断だったとしつつ、1月27─28日に開催される次回会合が「どのようなものになるか予測するのは時期尚早だ」と指摘。データの入手を待つ姿勢を改めて示した。





