ニュース速報
ビジネス

マネタリーベース10月は7.8%減、18年ぶり減少幅 国債売却増で

2025年11月05日(水)12時24分

2016年11月1日、日本の東京にある日本銀行の建設現場で壁の間から見える日本銀行のビル。REUTERS/Kim Kyung-Hoon

Tetsushi Kajimoto

[東京 5日 ロイター] - 日銀が5日に発表した10月のマネタリーベース平均残高は、前年比7.8%減の616兆5980億円で、14カ月連続で減少した。マイナス幅は2007年4月(12.2%減)以来、18年6カ月ぶりの大きさ。日銀が大規模緩和の修正から金利の正常化に向かって国債買い入れ減額の方針を維持する中、緩やかな減少傾向が続いている。

季節調整済みのマネタリーベースは、前月比17.9%減少した。前月の同23.5%減に続いて大幅な減少を記録した。平均残高は618兆4639億円となり、5カ月連続で減少した。

マネタリーベースの減少幅は前月の6.2%から拡大した。国債売却とそれに伴う当座預金残高9.1%減少(前月7.1%減)と大幅に減ったことが最大の要因。当預は08年8月(10.1%減)以来の下げ幅だった。日銀の担当者によると、民間貸し出し支援策「貸出増加支援資金供給」による新規貸し付けが6月で終了して、9月・10月は前年同月貸出増の裏が出たという。

日銀は「マネタリーベース、日銀当預ともにトレンドとしては緩やかな減少傾向を続けるだろう」(担当者)としている。

マネタリーベースは、市中に出回っている現金と金融機関が日銀に預けている当座預金の合計額で、日銀が供給する通貨を表す。マネタリーベース・日銀当預とも、黒田東彦前総裁による大規模緩和の下、供給が増大した。

植田和男総裁は、7月の金融政策決定会合で、QTの一環として保有する上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(REIT)などの市場での売却を決定した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

三井物、連結純利益予想を上方修正 サハリン2は「協

ビジネス

日鉄、ウジミナスの保有株をテルニウムに譲渡 売却価

ビジネス

日鉄、純損益を600億円の赤字に下方修正 米市場不

ビジネス

トヨタ、通期業績予想を上方修正 純利益は市場予想下
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に「非常識すぎる」要求...CAが取った行動が話題に
  • 4
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 5
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 10
    高市首相に注がれる冷たい視線...昔ながらのタカ派で…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中