英スタンチャート第3四半期、予想上回る増益 利益目標前倒し

英大手銀行スタンダード・チャータード（スタンチャート）が１０月３０日発表した第３・四半期決算は、税引前利益が前年同期比３％増の１７億７０００万ドルとなった。２０２２年７月、ロンドンで撮影（２０２５年　ロイター/Peter Nicholls）

Selena Li　Lawrence White

[香港/ロンドン ３０日 ロイター] - 英大手銀行スタンダード・チャータード（スタンチャート）が３０日発表した第３・四半期決算は、税引前利益が前年同期比３％増の１７億７０００万ドルとなった。

ウェルスマネジメント（富裕層向け資産管理）、国際銀行、市場関連の各部門が好調で、同行がまとめたアナリストの予想平均（１５億２０００万ドル）を上回った。

今年の収益の伸びは予想レンジ（５─７％）の上限に達するとの見通しを示した。７月時点では下限付近になると見込んでいた。

主要な収益性の指標である有形自己資本利益率（ＲＯＴＥ）を１３％へ引き上げる目標は、当初の想定より１年前倒しで２０２５年に達成する見込みとしている。

ジェフリーズのアナリスト、ジョー・ディッカーソン氏は、全事業とりわけ資産運用が好調だったことから、スタンチャートが２月の通期決算で２６年以降の中期目標を引き上げる可能性が高いと指摘した。

資金流入と新規口座数の増加を背景に第３・四半期のウェルスマネジメント部門の収入は２７％増となった。非金利収入は１２％増の２４億ドルと、アナリスト予想の２３億ドルを上回った。資本市場・アドバイザリーの手数料収入は、企業信頼感の改善に伴うＭ＆Ａ（合併・買収）の増加を受けて３３％増加した。