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ニデックは内部管理体制の改善必要と判断=山道JPXCEO

2025年10月29日(水)17時23分

 10月29日 日本取引所グループの山道裕己CEO(最高経営責任者)は29日の会見で、第3者委員会の調査報告を待たずしてニデックを特別注意銘柄に指定したのは「現時点で開示されている内容やヒアリングで内部管理体制改善の必要性が高いと認定した」と述べた。写真はニデックのロゴ。2018年7月、都内で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Ritsuko Shimizu

[東京 29日 ロイター] - 日本取引所グループの山道裕己CEO(最高経営責任者)は29日の会見で、第3者委員会の調査報告を待たずしてニデックを特別注意銘柄に指定したのは「現時点で開示されている内容やヒアリングで内部管理体制改善の必要性が高いと(グループの)自主規制法人が認定した」と述べた。

ニデックは1年以内に内部管理体制の改善が求められるが、山道氏は「どういった改善が図られるか注視していきたい」とした。

東京証券取引所は27日、ニデックを特別注意銘柄に指定すると発表した。1年後に内部管理体制の改善をチェックし、適切に整備されていなければ上場廃止となる。

ニデックのように時価総額の大きな企業が特注銘柄指定に至ったことについて、山道氏は「ちょっと驚いた、残念だと言うのが率直なところ」と感想を述べ「開示は証券市場の根幹を成すもの。(有価証券報告書が)監査意見不表明の状態にあり、マーケットを司る者としては指定せざるを得なかった。これは正しい判断だった」とした。

ニデックは第3者委員会が不適切な会計処理などの調査を行っている段階で、結果を待たずに特注銘柄指定は「珍しいケースであることは事実」としながらも、第3者委員会の結果報告がいつになるか分からない状態でもあり「それをいたずらに待つことで特注銘柄への指定が遅れるのは正しい判断とは思えない。内部管理体制の改善が必要であるのは間違いない」と指摘した。

同社をめぐっては、イタリア子会社における貿易取引上の問題等についての調査のため、2025年3月期有価証券報告書の提出期限を9月26日まで延期した。また、9月3日には不適切な会計処理の疑い、同社やグループ各社において経営陣の関与や認識の下、資産の評価減の時期を恣意的に検討していた疑いがあるとして、調査のため第三者委員会の設置を発表している。9月26日には、監査法人が「意見不表明」とした有価証券報告書が提出され、10月23日には26年3月期の業績予想を取り下げている。

ロイター
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