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FRB、利下げ時期近づく 年内2回以上必要な可能性も=SF連銀総裁

2025年08月05日(火)06時49分

米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は4日、労働市場の軟化を示す証拠が多く出ている一方で、米政権が掲げる関税措置に起因するインフレが持続する兆候は出ていないことを踏まえると、利下げの時期が近づいているとの考えを示した。2023年8月、ワイオミング州ジャクソンホールで撮影(2025年 ロイター/Ann Saphir)

[4日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は4日、労働市場の軟化を示す証拠が多く出ている一方で、米政権が掲げる関税措置に起因するインフレが持続する兆候は出ていないことを踏まえると、利下げの時期が近づいているとの考えを示した。

連邦準備理事会(FRB)は7月29─30日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを決定。デイリー氏は「あと1回待つつもりだった」としながらも、「永遠に待つことはできない」と言及。次回9月16─17日の会合での利下げが確定したことを意味するものではないとしながらも「今後の会合は全て、政策調整が検討される『ライブ』会合になると考えている」と述べた。

FRBが6月に発表した最新の経済・金利見通しで年内に2回の0.25%ポイントの利下げが実施されるとの見方が示されたことについては、依然として「適切な調整幅に見える」と言及。同時に「インフレが上昇したり、労働市場が持ち直したりすれば、(年内の利下げ回数は)2回より少なくなることもある」としながらも、「2回を上回る回数の利下げが必要になる確率の方が高い可能性がある」と指摘。「労働市場が弱体化する時期に入り、物価への波及が見られない場合は、より多くの利下げを実施する準備を整えておかなくてはならない」と語った。

労働市場については、昨年と比べてかなり軟化していることを示す証拠が「次々と」出ていると指摘。「7月(のFOMC)の決定に満足しているが、こうした決定を何度も繰り返すことには違和感を感じつつある」とし、関税主導の物価上昇が広範に浸透していないという証拠を確認するには半年から1年かかるため、FRBがこれを確認するまで待った場合、後手に回る恐れがあると警戒感を示した。

ロイター
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