ニュース速報

ビジネス

米SEC、コインベースを提訴 バイナンスに続き

2023年06月07日(水)07時45分

米証券取引委員会は、規制当局への登録を怠ったまま運営しているとして、暗号資産(仮想通貨)交換業大手の米コインベースを提訴した。昨年3月撮影(2023年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration/File Photo/File Photo)

[ニューヨーク 6日 ロイター] - 米証券取引委員会(SEC)は6日、規制当局への登録を怠ったまま違法に運営しているとして、暗号資産(仮想通貨)交換業大手の米コインベースを提訴した。

SECは訴状で、コインベースが少なくとも2019年以降、投資家保護を目的とした開示義務を回避しながら、暗号資産取引仲介業を運営することで数十億ドルを稼いだと指摘。「ソラナ」や「カルダノ」、「ポリゴン」など登録すべき証券である少なくとも13の暗号資産を取引していたとし、民事制裁金、不正利得の返還、差し止めによる救済を求めた。

SECのゲンスラー委員長はツイッターに「コインベースは、詐欺や恣意的な操作を防止する規制、適時開示、利益相反に対する保護措置、日常的な監督など、投資家に対する保護に欠けている」と投稿。

また、CNBCのインタビューで暗号資産業界について「ビジネスモデル全体が米証券法の不順守の上に成り立っており、われわれは彼らに順守を求めている」と述べた。

データ会社ナンセンの推定によると、提訴を受けてコインベースから差し引き約12億8000万ドルの顧客資金が流出した。

コインベースの法務顧問は声明で、業務は通常通り継続すると強調。また「(当社は)法令順守へのコミットメントを示してきた」と述べた。

カリフォルニアなど10州もこの日、「ステーキング」と呼ばれる報酬プログラムを巡り証券法に違反したとしてコインベースを提訴した。このプログラムでは、暗号資産を預け入れた顧客に報酬を提供し、集めた暗号資産をブロックチェーン(分散型台帳)ネットワークの活動に使う仕組み。

親会社コインベース・グローバルの株価は一時20.9%下落し、12.1%安で取引を終えた。

SECは5日にも、同業のバイナンスと同社のチャンポン・ジャオ最高経営責任者(CEO)らを提訴しており、暗号資産業界にとって新たな痛手となった。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

フィリピンの大規模な反汚職デモが2日目に、政府の説

ビジネス

野村HD、「調査の事実ない」 インド債券部門巡る報

ビジネス

野村HD、「調査の事実ない」 インド債券部門巡る報

ワールド

韓国、北朝鮮に軍事境界線に関する協議を提案 衝突リ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生まれた「全く異なる」2つの投資機会とは?
  • 3
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地「芦屋・六麓荘」でいま何が起こっているか
  • 4
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 5
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 8
    レアアースを武器にした中国...実は米国への依存度が…
  • 9
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 10
    反ワクチンのカリスマを追放し、豊田真由子を抜擢...…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中