ニュース速報

ビジネス

インタビュー:物価に先駆けた賃上げを、デフレ脱却に不可欠=連合会長

2016年01月13日(水)20時43分

 1月13日、合の神津里季生会長(写真)は、政府が目指すデフレ脱却に向け、物価上昇に先駆けた賃上げが必要との見方を示した。(2016年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 13日 ロイター] - 連合の神津里季生会長は13日、政府が目指すデフレ脱却に向け、物価上昇に先駆けた賃上げが必要との見方を示した。その上で、継続的に賃金が上昇するという実感を広げていくことが、消費購買意欲の向上に欠かせないと強調。

2%程度のベースアップ(ベア)要求基準を掲げた方針が、より現実的であるとの見解を示した。

ロイターとのインタビューで語った。神津会長は、過去のインフレ局面と比較した上で「(足元の)物価が上がっていないからといって賃金を上げなければ、デフレ脱却は永遠にできない」と述べた。

今年の春闘は、賃上げがこれからも続くかどうかが問われているとした上で、個人消費を刺激するためには、ボーナスではなく月例賃金の引き上げが不可欠だと語った。

アベノミクス第2ステージで掲げた名目国内総生産(GDP)600兆円の実現に向け、政府は年3%の賃上げが必要との見方だが、連合は2016年春闘での要求内容で、ベアは「2%程度を基準」、定期昇給分とあわせて「4%程度」とした。

ベアについて政府から「消極的」との声も漏れるが、神津会長は「要求を高く掲げて世の中全体の底上げになるのであれば、いくらでも高く掲げる」と反論。政府がGDP600兆円目標から逆算してはじき出した「賃上げ3%」は「画に描いた餅」だと批判した。

また、「基準」との文言を入れて幅を持たせたことで、子会社や系列グループが親企業よりも高い要求を打ち出せない「悪しき文化」を転換させるのも狙いだと述べた。

*写真を追加して再送します。

(梅川崇、梶本哲史 編集:内田慎一)

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECBは利下げ停止すべきとシュナーベル氏、インフレ

ビジネス

FRB、関税の影響が明確になるまで利下げにコミット

ワールド

インドとパキスタン、停戦合意から一夜明け小康 トラ

ワールド

トランプ氏「ロシアとウクライナに素晴らしい日に」、
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノーパンツルックで美脚解放も「普段着」「手抜き」と酷評
  • 3
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦闘機を撃墜する「世界初」の映像をウクライナが公開
  • 4
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 5
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 6
    指に痛みが...皮膚を破って「異物」が出てきた様子を…
  • 7
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 8
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    「股間に顔」BLACKPINKリサ、ノーパンツルックで妖艶…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 3
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 4
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 5
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 6
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノー…
  • 9
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 10
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中