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将来のインフレ上昇に自信、一部懸念の声も=FOMC議事要旨

1月6日、米国の利上げ再開を決めた昨年12月15─16日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、参加者のほぼ全員が将来の物価上昇実現に自信を示す一方、一部メンバーはインフレ率が低い水準にとどまる恐れがあると懸念を表明していたことが議事要旨で明らかになった。写真はFRBの会議室(2016年 ロイター/Jim Bourg)
[ワシントン 6日 ロイター] - 米国の利上げ再開を決めた昨年12月15─16日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、参加者のほぼ全員が将来の物価上昇実現に自信を示す一方、一部メンバーはインフレ率が低い水準にとどまる恐れがあると懸念を表明していたことが、6日公表の議事要旨で明らかになった。
議事要旨は「ほぼ全参加者が中期的にインフレ率は2%に戻ると合理的に確信している」としたが、一方で「一部のメンバーは、物価動向に関する先行き不透明感を踏まえれば、利上げ判断は紙一重だと述べた」とも記載した。
FOMCは先月、約9年半ぶりに利上げに踏み切り、事実上のゼロ金利状態に据え置いてきた政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げた。判断は全会一致だったが、議事要旨からは委員会内に意見の隔たりが残っていたことが分かる。物価見通しに関する議論が来年にかけての利上げペースを決定づけることになる。
FOMCが利上げを決定する一方で、金利引き上げを緩やかに進めていくとしたことは、何カ月にもわたって利上げを主張してきたメンバーと、米経済は低インフレと世界的な成長鈍化という危険に依然としてさらされているとするメンバーが妥協した結果だった。
FOMCの参加者は総じて、2016年に25bpの利上げが4回あると見込んでいる。ただ、議事要旨を見る限り、一部メンバーは物価がさらに上昇するまでは追加利上げには慎重姿勢を示しそうだ。要旨によると、全員が低インフレの長期化が懸案事項であるとの意見に同意している。
議事要旨は「実際の物価上昇率が依然として弱含み、物価見通しにも先行き不透明感とリスクが実在することに重大な懸念があることから、FOMCとして物価目標達成に向けた進捗状況と見通しの双方を注視すると表明することに同意した」としている。
議事要旨には利上げを緩やかに進めることの利点も詳細に記されている。ゆっくりとしたペースで金利を上げていくことで、景気刺激をより長期に続けることができるほか、物価が目標の2%に向かっているかどうか確認する時間がとれるとした。物価上昇率は過去3年間の大半で目標を下回っており、景気が再び後退すれば、物価と賃金がともに下落する悪循環に陥ると懸念されている。
海外の金融市場の混乱を不安視して、米連邦準備理事会(FRB)は昨年12月まで利上げを先送りした。議事要旨は「中国は経済の循環的かつ構造的な変化を乗り越えるのに苦戦するかもしれない」としており、中国の経済減速は依然として懸念材料となっているもようだ。
中国経済への懸念で年明けから世界的に株価は下がり、6日も相場は下落した。
*内容を追加しました。