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米利上げ検討は時期尚早、状況に変化 NY連銀総裁が伊紙に

2015年10月19日(月)18時36分

 10月19日、米ニューヨーク連銀のダドリー総裁はイタリア紙に対し、世界経済への懸念などを理由に米FRBが利上げを検討するのは時期尚早との見解を明らかにした。ニューヨークで4月撮影(2014年 ロイター/EDUARDO MUNOZ)

[ミラノ 19日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀のダドリー総裁は世界経済への懸念などを理由に、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを検討するのは時期尚早との見解を明らかにした。15日のワシントンでの発言を伊コリエレ・エコノミア紙が19日伝えた。

同紙によると、総裁はブルッキングス研究所が主催する会議の合間に「過去数カ月間で状況が変わった」と指摘。「年末までに利上げが可能とわれわれが考えたのは事実だが、金融市場の混乱や世界経済の鈍い成長、エネルギー価格、マクロプルーデンス(金融システム全体のリスク管理)面の不均衡によりこのプロセスがスローダウンしている」と説明した。

その上で「利上げを検討するのはまだ早過ぎる」と言明した。

ダドリー総裁はブルッキングス研究所で先週行った講演で、自身の想定どおり米経済が緩やかな成長を続ければ、12月の利上げへ準備が整うとの認識を示していた。

しかし総裁は同紙に、世界経済の拡大が緩やかなペースにとどまっているという事実を無視するのは「大きな誤り」と述べた。

FRBは世界経済の状況を注視する必要があるとしながらも、米経済が鍵を握るのは変わらないと指摘した。

「私が非常に重視するデータが幾つかある。例えば米労働市場の状況が一段と改善するのを確認する必要がある」と述べた。年末までに多くのデータが公表されるとし、内容を確認した上で政策を決定すべきとの見解を示した。

*内容を更新します。

ロイター
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