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中国7月鉱工業生産や固定資産投資、予想下回る 減速懸念に拍車

2015年08月12日(水)17時42分

 8月12日、中国国家統計局が発表した7月の鉱工業生産は、前年同月比6.0%増となり、ロイターがまとめた予想の6.6%増を下回った。常州市で7月撮影(2015年 ロイター/John Ruwitch)

[北京 12日 ロイター] - 中国国家統計局が12日発表した7月の鉱工業生産は、前年同月比6.0%増となり、ロイターがまとめた予想の6.6%増を下回った。

中国経済に新たな刺激策が必要との見方を支持する内容となった。

6月の鉱工業生産は6.8%増だった。

1─7月の固定資産投資は前年比11.2%増で、市場予想の11.5%増を下回った。

7月の小売売上高は前年比10.5%増加。市場予想の10.6%増をやや下回った。

7月の指標はほぼすべてがエコノミストの予想を下回り、中国経済のさらなる悪化を示す内容となった。6月の指標は、当局による一連の景気刺激策を受けて経済活動が安定し始めたとの期待をある程度高めていた。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(香港)の中国担当エコノミスト、ルイス・クイジス氏は「このような結果は誰もが抱いている景気への弱気な見方を一段と強める」と指摘。「改善するとの予想が多かったが、そうならなかった。状況は好転するのではなく悪化している。今年7%の成長率(目標)を達成することはかなり厳しくなる」と述べた。

ANZのエコノミストはノートで「状況が近く改善しなければ、現四半期の成長率は、第2・四半期の7%から低下し、6.5%を割り込む可能性がある」との見方を示した。

一部のエコノミストは、中国国内総生産(GDP)伸び率はすでに公式統計の半分、もしくはさらに低い水準かもしれないとみている。

フォーキャスト(シンガポール)のエコノミスト、チェスター・リァオ氏は「指標は概して(政策にとって)ハト派的な内容だった。ただ、数字自体は依然として高水準であり、人民元の2日連続の基準値引き下げを正当化するものでないことは間違いない」と述べた。

*内容を追加します。

ロイター
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