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富士重が3月以降も車部品空輸を継続、米港湾争議で

2月16日、富士重工業は、米西海岸での港湾労使交渉の長期化により、1月末から実施している自動車部品の空輸を3月以降も継続することを明らかにした。写真は、富士重のロゴと同社の吉永泰之社長、2014年撮影(2015年 ロイター/Yuya Shino)
[東京 16日 ロイター] - 富士重工業<7270.T>は16日、米西海岸での港湾労使交渉の長期化により、1月末から実施している一部の自動車部品の空輸を3月以降も継続することを明らかにした。いつまで空輸を続けるかは不明。当初は2月末までとして約1カ月分の空輸費用約70億円を2015年3月期の営業利益予想に織り込んでいた。
同社は通常、エンジンや変速機などの自動車部品を日本で生産し、船便で米国に輸出、北米の生産子会社スバル・オブ・インディアナ・オートモーティブ(SIA)へ運んでいる。
ガソリン安や低金利を追い風に米国での需要が旺盛な中、SIAで生産している主力車種の「アウトバック」や「レガシィ」は北米での販売が好調で、ほとんど在庫がない状態。部品調達の遅延が生産に影響を及ぼしかねず、費用も拡大する懸念が一段と強まっている。
<ホンダ、トヨタも生産調整>
港湾労使交渉の長期化による影響は、他の自動車メーカーにも及んでいる。
ホンダも1月末から一部の自動車部品を空輸に切り替えた。アジアから米工場に部品を一部空輸するが、同社広報担当者のマーク・モリソン氏によると、米オハイオ州、インディアナ州、カナダのオンタリオ州の工場で16日から部品不足が予想されており、16─23日に各工場の生産を調整するという。
同氏は「生産ラインの稼働を効率的かつ円滑に継続するための複数の重要な部品が十分に供給されていない。これらの部品には、電子機器など少数の重要部品や、トランスミッションなどの大型組立部品が含まれている」と述べた。生産が抑制されるのは「シビック」、「CR─V」、「アコード」、「アキュラ」。
トヨタ自動車の広報担当者、マイク・グロス氏によると、北米の一部工場で残業を減らしている。日産自動車は労使交渉による影響をある程度受けているが、部品の現地調達化などを理由に生産への影響は最小限にとどまるとしている。
*情報を追加しました
(白木真紀、金昌蘭)