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ノーベル化学賞の北川進氏、生理学・医学賞の坂口志文氏...その研究成果と科学的意義、一般社会にとっての恩恵とは?
今回ノーベル賞生理学医学賞を受賞した坂口氏ら3氏は、「制御性T細胞(Treg)」という"免疫の番人"を同定し、自己組織への攻撃を抑える仕組みを明らかにしました。
「制御性T細胞」は自己を攻撃する免疫細胞の活性を抑える特殊な免疫細胞です。免疫系で最も重要な細胞群であるT細胞のうち、制御性T細胞はわずか10%程度にすぎませんが、身内である他のT細胞が誤って自己を攻撃しないかを見張っています。
1990年代までは「免疫系が間違って自分自身を攻撃しない『自己寛容』を保つには、胸腺で自己反応性T細胞を除去する『中枢免疫寛容』だけで十分だ」という考え方が主流でした。
けれど坂口氏は1995年、制御性T細胞を同定し、「自己を免疫から守る仕組みは胸腺で完結するのではなく、体の末梢にも制御性T細胞を用いた免疫のブレーキ機構がある」という「末梢免疫寛容」の概念を確立し、免疫の概念を一新しました。
その後、ブランコウ氏、ラムズデル氏らのグループが、マウスの自己免疫疾患に関わる遺伝子(Foxp3)を発見しました。坂口氏らは未熟な細胞にFoxp3を導入すると制御性T細胞になることを示し、Foxp3こそが制御性T細胞の司令塔にあたる遺伝子であることを示しました。
現在、制御性T細胞は、免疫反応をコントロールして疾患治療に応用する研究が急速に進められています。
たとえば、臓器・骨髄移植後の免疫反応を抑制するために制御性T細胞を増やす薬剤や制御性T細胞そのものを投与する臨床試験が行われています。多くのがんではT細胞群における制御性T細胞の割合が増えていることから、制御性T細胞を減らしたり不活化したりする研究も進行しています。
また、アレルギーは通常は大きな害を与えない物質に対して体内で過剰な免疫反応が引き起こされることが原因なので、制御性T細胞を利用した「免疫にブレーキをかける療法」も注目されています。
制御性T細胞が自己攻撃性T細胞を抑制するメカニズムには未解明の部分が残っているため、細胞そのものに対する研究も引き続き行われています。特徴や機序が解明されることで、さらなる医学への応用が期待できます。
ナノメートルサイズの規則的な孔を無数に持つ多孔性材料
一方、2025年ノーベル化学賞は北川氏、リチャード・ロブソン氏(豪メルボルン大学)、オマー・ヤギー氏(米カリフォルニア大学バークレー校)の計3名に与えられました。受賞理由は「金属有機構造体(MOF)の開発("for the development of metal-organic frameworks")」です。
MOFはPCP(Porous Coordination Polymer;多孔性配位高分子)とも呼ばれます。金属イオンに有機分子が結合した構造をしており、ナノメートル(100万分の1ミリメートル)サイズの規則的な孔を無数に持つ、新しいタイプの多孔性材料です。
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