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【実話】立ちションでクビ、自己破産した50代男性...普通の人でもハマる人生の落とし穴

2026年3月30日(月)21時15分
印南敦史 (作家、書評家)

絵に描いたような悪循環、支払額は月20万円超に


 リボ払いについて、男性は「これは便利だ」と思った。実際は、年15%程度の金利がかかっているのだが、あまり深く考えることはなかった。カードを使うとポイントが貯まるのもメリットに映った。
 こうして男性は、買い物の多くをリボ払いで行うようになる。
 その後、賃貸物件の更新となり、2か月分の更新料を払う必要が生じた。男性は、カードのキャッシング枠を利用した。ここでもリボ払いを選択した。(57ページより)

この時点でカードは利用限度額に達したため、男性は別のカードを作る。新たにキャッシングができるため生活が楽になったような気がしたが、そのカードも利用限度額まで使い込んでしまう。その後、3社目、4社目と新しいカードを作っては、すぐに限度額に達するという状況に陥る。

絵に描いたような悪循環だが、やがて毎月の支払額が20万円を超えたというのだから笑い話にもならない。しかもリボ払いなので、返済のほとんどは利子のみ。債務総額は一向に減らず、生活はどんどん窮地に追い込まれていったようだ。

その結果、毎月の返済も滞るようになり、カード会社から多額の遅延損害金と一括返済を請求されることになった。かくして彼は、リボ払いで破産することになったのだ。

私も20代の頃にはリボ払いを利用していたが、当時はこの男性ほどではないにしろ、「リボって楽だなー」と楽観的だった気がする。

たった1回のリボ払いから、このような悪循環が起こりうるのだ。なんとも恐ろしい話だし、驚かざるを得ない。

『人はこんなことで破産してしまうのか!――推し活、ペット、不倫、介護、投資......普通の人でもハマる落とし穴』
人はこんなことで破産してしまうのか!――推し活、ペット、不倫、介護、投資......普通の人でもハマる落とし穴
 永峰英太郎・著
 速水陶冶・監修
 三笠書房

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[筆者]
印南敦史
1962年生まれ。東京都出身。作家、書評家。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。他に、ライフハッカー[日本版]、東洋経済オンライン、サライ.jpなどで連載を持つほか、「ダ・ヴィンチ」などにも寄稿。『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』(日本実業出版社)、『この世界の中心は、中央線なのかもしれない。』( 辰巳出版)など著作多数。2020年6月、日本一ネットにより「書評執筆本数日本一」に認定された。


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