最新記事
ウクライナ戦争

ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺るがす...「今後の6カ月が正念場」

PUTIN’S SECRET MELANCHOLY

2026年2月20日(金)11時50分
サム・ポトリッキオ (本誌コラムニスト、米ジョージタウン大学教授、元ロシア国家経済・公共政策大統領アカデミー特別教授)

プーチンの支持率は20年に低下した。政府が緊縮財政に踏み出し、年金受給開始年齢を引き上げたことが激しい反発を招いたためだ。今年も同規模の緊縮策を講じなければ財政が破綻し、債務不履行や通貨ルーブルの暴落を招きかねない。そうなれば前任者ボリス・エリツィンの二の舞いになってしまう。

現在の戦時体制で恩恵を受けているのは、大規模な軍需産業があるか、多くの住民を戦場に送り出している自治体だけだ。言うまでもなく戦争バブルは長続きしない。いずれは終わり、国民の不満が爆発する。


戦争の継続もリスクと利益のバランスという市場原理によって決まる。報酬が縮めば、怒りが沸騰するのは当然だ。

経済政策の選択肢が限られているのと同様に、戦争の出口に関する選択肢も限られている。なにしろ今年末までには軍需備蓄が底を突くと見込まれているからだ。経済破綻しつつあるなかで、備蓄の積み増しはできない。

今年の秋にロシア連邦議会下院選挙が予定されている。21年に行われた前回はコロナ禍の真っ最中でプーチンの支持率は低迷し、与党・統一ロシアは議席を減らした。この不満が原因で翌年のウクライナ侵攻を決めたとみる向きもある。思えば14年2月のソチ冬季五輪の前も、プーチンの支持率は下落していた。しかし五輪の閉幕を待ってクリミア半島を強引に併合すると、支持率は急回復したのだった。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英1月小売売上高、前月比+1.8% 24年5月以来

ビジネス

ゴールドマン、中銀の金購入鈍化「一時的」と予想

ワールド

韓国・尹前大統領が非常戒厳を謝罪、判決は報復と批判

ワールド

フィリピン、南シナ海巡り中国と「対話ルート維持」 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由...「落葉帰根」派も「落地生根」派も
  • 3
    中道「大敗北」、最大の原因は「高市ブーム」ではなかった...繰り返される、米民主党と同じ過ち
  • 4
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 5
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 6
    ディープフェイクを超えた「AI汚染」の脅威──中国発…
  • 7
    IMF、日本政府に消費減税を避けるよう要請...「財政…
  • 8
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 9
    ウクライナ戦争が180度変えた「軍事戦略」の在り方..…
  • 10
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 1
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 2
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 3
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 4
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 5
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 6
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 7
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 8
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中