トランプ「地獄を見ることになる」――イラン抗議拡大、アメリカの「軍事介入」は火に油か?

On the Verge of State Collapse?

2026年1月21日(水)17時05分
トム・オコナー (本誌米国版外交担当副編集長)

ただし「この広がりが持続的な運動に発展するかどうかは分からない」とカリミは言う。「鍵は体制側の今後の出方だ。既に暴力が行使され、通信が遮断されている。この先の対応が決定的に重要だ」

インターネットが遮断された状況で正確な情報をつかむことは困難だが、イラン当局は1月13日に、今回の抗議行動による死者は警察や治安部隊の要員も含めて約2000人だと発表している。米国を拠点とする人権活動家通信社HRANAによれば、14日時点では2500人以上だ。

ちなみに、22年9月から数カ月にわたって続いた抗議行動では数百人が死亡している。国営メディアによれば200人、人権団体によれば550人以上だ。発端はスカーフ着用義務に違反したとして警察に拘束された女性が変死したことだった。

ガザ加担で手痛い打撃

今回の騒乱の火種になったのは、首都テヘランの市場(グランドバザール)で昨年末の12月28日に始まった商人たちによるストライキだ。

直接の原因はイランの通貨リアルが対米ドルで過去最安値を記録し、商売が立ち行かなくなったことにある。その後、抗議の動きは多様な層に広がり、国内各地に拡大した。

「始まりはテヘランの商人たちの絶望感の表明だった。通貨リアルの下落や国民の購買力低下、さらには財政難や経済政策の失敗、国際社会からの制裁に対処するための増税計画などへの不満が一斉に噴き出した格好だ」

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