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イラン革命防衛隊

トランプ、イラン革命防衛隊司令官殺害は「戦争をやめるため」 ハメネイ師「厳しい報復」警告

2020年1月4日(土)11時00分

イラクの首都バグダッドの空港で3日、イラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官(左)らを乗せた車列が空爆され、同司令官とイラク民兵組織の指揮官が死亡した。写真は2015年3月にイラクで撮影。(2020年 ロイター)

米国防総省は、イラクの首都バグダッドの空港で現地時間3日未明、イラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官(62)らを乗せた車列を空爆し、同司令官を殺害したと発表した。一方、イラン側は報復を予告するなど反発を強めており、米イランの対立激化が懸念されている。

国防総省は声明で「トランプ大統領の指示により、米軍は海外に駐留する米職員を守るため、ソレイマニ司令官を殺害することで断固とした防衛措置を講じた」と表明。イランによる将来の攻撃計画を抑止することが狙いと説明した。

ポンペオ国務長官は米メディアとのインタビューで、今回の対応はイランによる「差し迫った攻撃」を回避するためのもので、対応しなければ中東にいる米国人の生命が危険にさらされていたと強調。ただ脅威の詳しい内容については多くを語らず、「諜報の判断」で司令官の排除が決まったと述べるにとどめた。

トランプ大統領はツイッターで「ソレイマニ司令官は長い間、数千人もの米国人を殺害したり重傷を負わせ、さらに多くの米国人殺害を目論んでいた」と明かしたが、詳細には触れなかった。

さらに記者団に対し「ソレイマニ司令官は米国の外交官や兵士らを対象に悪意のある差し迫った攻撃を画策していたが、われわれが彼を取り押さえ殺害した。われわれの行動は戦争をやめるためであって戦争をしかけたわけではない」と説明した。米国はイランの体制変更を望んでいないが、イランは地域における侵略活動をやめる必要があると強調もした。

米国防総省は、第82空挺師団から中東に約3000人を増派すると発表。中東地域で米軍に対する脅威が高まる中での予防措置という。

一方、イランの国営テレビは3日、最高指導者ハメネイ師の声明を発表。この中でハメネイ師は、ソレイマニ司令官を殺害した「犯罪者」には厳しい報復が待ち受けており、米国とイスラエルに対する抵抗の機運が倍増すると警告した。

イランのロウハニ大統領は、司令官の殺害で米国に対するイランの抵抗は強まると明言。イラン革命防衛隊は司令官の死亡を確認するとともに、反米勢力がイスラム世界で報復すると予告した。

イランが支援する民兵組織を統括するイラクの「人民動員隊」(PMF)の報道官は、民兵組織幹部のアブ・マハディ・アル・ムハンディス氏も空爆で死亡したと明らかにした。その上で、2人の死亡について「米国とイスラエルに責任がある」と非難した。

こうした中、イラクの首都バグダッドにある米国大使館は、イラクに滞在する米国民に対し、直ちに国外退避するよう呼び掛けた。

イラクのアブドルマハディ首相は、米国の攻撃はイラクの主権を侵害するとともに、戦争につながるものと批判。国連のグテレス事務総長は、中東の緊張激化を深く憂慮しており、各国に「最大限の自制」を求めるとした。

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